老人の取るべき態度

 
 
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私事だが先週59歳になった。来年は還暦、定年。どんどん老人に近づいてる。
なので今週は老人の取るべき態度について考えてみた。

自民党総裁選で、竹下派の長老、青木幹雄さん(84)の鶴の一声により、参院竹下派が石破さん(61)支持を決めた。しかし衆院側は茂木経済財政相(62)や加藤厚労相(62)ら、実力者の多くが安倍首相(63)支持のため、結局竹下派は自主投票になってしまった。

しかも参院竹下派の人は、石破さん支持でも、安倍さんには干されないらしい。変な話だ。

竹下派の人はみんな迷惑してると思う。
石破さんにするならするで、皆で話し合って決めるならいいけど、はるか昔に引退したおじいちゃんが決めちゃいけないよ。

『政界の怒れる老人たち』?

 
 

でも青木さんはなぜ石破支持にこだわったのか。
息子が選挙で助けてもらったというのが理由ではないと思う。

もちろんそれもあるのだが青木さんや、古賀誠(78)さん、山崎拓(81)さんら、引退したおじいちゃんたちは、安倍さんのことをどうも好きではないらしい。

石原派の安倍支持が遅れたのも、伸晃さん(61)が山拓さんに気を使っていたからだし、岸田さん(61)がずーっと態度を決めなかったのも、古賀さんの影響があったに違いない。

おじいちゃんたちは、たぶん安倍さんが話を聞いてくれないから、腹を立てている。
Angry Old Menだ。

安倍さんも少し位聞いてあげればいいのにね。そんな暇ないか。

主役は現役に譲るべし

 
 

一度このおじいちゃんたちが一致結束して岸田さんを立てて、倒閣運動を起こすという話を聞いたことがあって、それはあり得るなーと思った。
だから安倍さんも決して警戒してない訳ではない。

でも会社でもよくいますよね。
一線を退いて、若い局長の言うこと聞かないおじいちゃん。ボクは違うけど。
あれは他の若い社員にとってもものすごく迷惑。

医療の発展や生活習慣の改善で、元気な老人がどんどん増えている。少子化社会で、老人は貴重な労働力だ。ただあくまで主役は現役の人。

もちろん90歳過ぎても若者に負けないなら、マハティールみたいに首相になればいい。
でも引退した人は一歩引いて、現役の人を立ててやらないと組織はもたない。
 

年を取ると言葉が「雜」になる

 
 

年を取ると言動が「雑」になる。つい、威張ってしまう。実は僕も少しそう。

麻生財務相(77)、二階幹事長(79)、伊吹元衆院議長(80)、みんな危ない。発言には気をつけないと。老人が威張ると、若者はバカにするだけですから。

 
 

その点、小泉純一郎さん(76)は少し違う。安倍さんに会っても、好きにやりなさい、という感じで、
「反原発」など一言も言わないそうだ。息子を人質に取られているということもあり、小泉さんはたぶん一線は超えない。

ここまでの登場人物の年齢を改めて見ると、政治家って50-60代が全盛期で、75歳で後期高齢者になってやっと引退を考えるんですね。

59歳の私などまだ洟垂れ小僧、もう少し頑張ります。

(執筆:フジテレビ 上席解説委員 平井文夫)

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。