「夕日が立ち止まる町」として人気の愛媛・伊予市双海町でお酒を通じた地域活性化イベント「双海灘町横丁はしご酒」が行われた。ひと味違った楽しみ方をテレビ愛媛・橋本利恵アナウンサーがほろ酔い気分で体験した。
トゥクトゥクの送迎で旅気分
オレンジ色に揺らめく波間に、刻一刻と表情を変える空と海。
“沈む夕日が立ち止まる町”伊予市双海町は、県内でも人気の映えスポットとして、多くの人を魅了する人気のエリアだ。
橋本利恵アナウンサー：
40代は“映えスポット”ではなく楽しい“飲みニケーション”を求めて行ってまいりたいと思います
JR松山駅を出発し、伊予市で乗り換え、愛ある伊予灘線で、最寄り駅の「伊予上灘駅」を目指す。一両編成のワンマン列車に揺られ、森のトンネルを抜けると、青くきらめく双海の海が出迎えてくれる。
無人の伊予上灘駅で降りると、タイでおなじみの乗り物・トゥクトゥクが会場まで無料で送迎してくれて、旅気分がいっそう高まる。
重要アイテムはガラポンくじ！
この日、はしご酒会場には、町の内外から酒のつまみを提供する13の店が出店していた。
香ばしい香りに気もそぞろになりながらも、橋本アナウンサーは受付で「ガラポンくじ」を引く。
実は手作り感満載な「ガラポン」は、イベントの重要なアイテムで、ガラポンくじで箱の中から引き当てた店舗ごとに、さまざまなサービスが受けられるクーポンを3枚ゲットすることができる。このガラポンによって、自分の趣味嗜好（しこう）の枠を超えた、新たな味・新たな人との出会いが生まれるという。
受付スタッフ：
ガラポンで何が出るかわからない、新しいお店と出会える１つの楽しみになるかなと
はしご酒1軒目は、ガラポンでクーポンを引きあてた「ちづりん＆ともりん」。地元・双海町の仲良し2人が出店したお店で、ちづりんさん手作りのポテトに枝豆、唐揚げなど定番のビールのお供が並んでいる。
クーポンでゆで卵を1個サービスしてもらった。
偶然、相席したのは「はしご酒」を目当てに松山市からやってきたという女性2人。
橋本利恵アナウンサー：
何を見てこのイベントを知ったんですか？
松山から来た女性２人：
インスタです。今回、初めて来ました
ガラポンで引き当てたステキ女子たちとの出会いにビールで乾杯。
2軒目は、実に個性的なキャラクターの人とはしご酒。
橋本利恵アナウンサー：
こんにちは
地元・松前町の源田誠二さん：
はい、こんにちは～、あ～久しぶりい。たこ焼きおいしいよ～
双海で石工職人をしているという源田誠二さんは、近所が認めるお酒好きで、この日もご陽気に出来上がっていた。
あまりの出来上がりっぷりに、そばにいた奥さんはあきれて「他人のフリ」を決め込んでいた。
橋本利恵アナウンサー：
ご主人ですか？
源田さんの妻：
違います
橋本利恵アナウンサー
え、ご主人でしょ？
源田さんの妻：
違います
でも、せっかくのはしご酒イベントなので“乾杯”。
2軒目のビールのお供は、双海でとれたタコを使ったできたてのたこ焼き(500円)。銅板で焼いたふわふわの逸品。
橋本利恵アナウンサー：
あつ、あつ！ おいしい、ふわっふわっ
ラストの3軒目は、双海町のおとなり大洲から出店した「pizzahouse F.O.G」で、地元大洲の野菜などをふんだんに使ったピザを提供している。
橋本利恵アナウンサー：
クーポンもらったんでこちらに来ました。さっきおとなりのお客さまがしらすのピザがおいしかったっておっしゃってたし、しらすのピザお願いします
ここ双海でとれたしらすと、大洲で当日の朝収穫した新鮮なバジルを使って作ったソースをトッピングして、その場で焼き上げる。
橋本利恵アナウンサー：
いつもはテイクアウトを中心に販売されてるそうですが、今回はしご酒イベント参加してみてどうですか？
pizzahouse F.O.Gのオーナー：
楽しいです。いつも人が多いとドタバタしているので、こうやってピザを実際食べてもらって感想聞けるのはうれしい
双海の海の幸と大洲の山の幸のが溶け合う「しらすとバジルソースのピザ（1,200円）」が焼き上がった。
橋本利恵アナウンサー：
ん～、朝採れのバジルは香りがすごい。双海のしらすの塩味と絶妙ないいマッチングです。おいしい！
「楽しく笑顔が集える場所ができたら」
この「双海灘町横丁はしご酒」は、双海町の地域おこし協力隊として活動する上田沙耶さんが「お酒」というコンテンツを通して双海の商店街に再び明かりを灯そうと、地域の人と一緒に企画し、徐々に参加する人も増えてきているという。
「双海灘町横丁はしご酒」を企画した上田沙耶さん：
双海の商店街に飲める場所がほとんどないってところで、もう一度商店街に明かりを灯したいっていうのと、コミュニティーの活性化っていうところで、町の人が一緒に飲み交わす場所がないんですけど、外の人も交えて楽しく笑顔が集える場所ができたらいいなと思いスタートさせました。
「双海灘町横丁はしご酒」を企画した上田沙耶さん：
いろんな出会いがあるみたいでつながってる感じはありますね
上田さんは、「SNS映え」とはまた違う、新しい地域活性化の形を模索しているという。
商店街の地域活性化を実現する新たなつながりや可能性が、この「飲みニケーション」から生まれるかもしれない。次回の「双海灘町横丁はしご酒」は、9月30日に開催予定だという。
（テレビ愛媛）
