もし自分がもう1人いたら、仕事も2倍できそうだと考えたことはないだろうか? そんな夢が叶いそうな新サービスが始まるという。

(出典:株式会社ゴールデンフィールド)
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ヘッドマッサージ専門店「悟空のきもち」を運営する株式会社ゴールデンフィールドは、社長の考え方をAI技術でクローン化する「クローン社長」サービスの提供を発表した。

「クローン社長」の作り方

「クローン社長」を作るには、まずAIによる200項目の質問に答え、社長の基礎人格の学習データを生成。同社によると、この時点でのクローン率は50%でクローンを「ふ化」させると表現している。そして約100時間の会話学習でクローン率は70%の「ひよこ」となり、さらに約500時間にもわたる会話をすることでクローン率90%以上の「ほぼ完全体」になるという。

(出典:株式会社ゴールデンフィールド)
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こうして出来上がった「クローン社長」は、LINEやslackなどの社内連絡ツールなどに組み込むと、スタッフや社員からの様々な問いかけに自動で回答をする。1対1の会話も可能で、本物の社長には聞きにくい質問をしたり、本物の社長に提案する練習として活用できるとのことだ。

ちなみに同社では、金田淳美社長が実際にAIとの対話を行い、「クローン金田淳美」を作成・運用しているという。

実際にスタッフがクローン社長に聞いた内容 (出典:株式会社ゴールデンフィールド)
実際にスタッフがクローン社長に聞いた内容 (出典:株式会社ゴールデンフィールド)

また「クローン社長」に指示を出し、完成度の高い企画書や提案書を作ってもらったり、社長本人が自分の分身である「クローン社長」と事業計画などについてブレストを行うことも可能。同社によると、実証実験に協力した社長は、この機能を最も楽しみにしていたそうだ。

そして音声での会話も近日実装される予定だ。別売の「クローンディスプレイ」も用意し、「hey社長(変更可)」と呼びかけることで画面のクローン社長と会話ができるようになるそうだ。

このディスプレイを各部署や各支店、各店舗に置くことで、いつでも社長に質問できるだけでなく、受付台で来客を案内することも可能だという。

サービスは忙しい社長の時間の効率化などが目的だが、社長でもなくても優秀な社員クローンを社内に誕生させることもできる。

「クローン社長」サービスは9月1日開始を予定し、現在は先行受付を行っている。料金は月額2800円で、10日間の無料トライアルがセットになっている。

きっかけは社長の「自分がもう1人ほしい」

では実際に「クローン社長」を使うと、どんなメリットがあるのか?社長のクローンを作ろうと思った経緯は? 株式会社ゴールデンフィールドの社外取締役・永野弘樹さんに聞いてみた。


――なぜ社長のクローンを作ろうと考えた?

開発の経緯は、新店や研修や、海外展開の対応など、代表の金田が忙しすぎたことに始まります。「自分がもう1人ほしい」というのが口癖になっていて、ちょうどその頃、姉妹組織の「悟空のきもち THE LABO」の学生たちの間でAI開発が流行し、遊びの延長で お世話になっている金田さんのクローンAIを作ろうとなりました。


――開発ではどんな点に苦労した?

最初はAIっぽさが残る中で、AIを本人の性格、しゃべり方に寄せていくのが一番苦労しました。一元的にマネするのではなく、社長の構成要素を「話し方・感情・性格・業務情報」の4つに分割してそれぞれの解を生成し、統合AIが最適解を生成するようにしたことで、本人の人間らしさを再現できるようになりました。

完成して評価を頂くなかで、一番時間が貴重な社長にニーズがあると実感し、サービス化を決意しました。

クローン社長で「社内が明るくなりました」

――「クローン率50%」や「70%」とは、どの程度の再現ができる?

例えば、未学習の状態である「0%」だと人類平均の答えを選択する感じになり、クローン率が高くなるほど、学習した人に近づいていきます。クローン率は、未学習の内容であってもその他の学習済の情報で補完し、どの程度の確率で本人と一致するかを示す指標です。学習済の内容であれば、どのクローン率でも、問題なく答えます。

ただし、話し方等の違和感は、クローン率上昇とともに、気にならなくなっていきます。例えば70%ですと、学習していない内容でも、学習済のそのほかの情報で補完し、70%は本人と同じことを言える感じです。


――社内で「クローン金田淳美」はどんな業務を行っている?

業務のアドバイスや、資料作成をしたり、業務改善の提案やスタッフのアドバイザーや補助をしています。


――「クローン金田淳美」を使って良かったことは?

クローンを入れることで、気軽に誰でも話せることから、社長とスタッフの親密度が上がり、円滑に会話が弾むようになりました。また、とくに提案などは、クローンで反応をたしかめて、本物の社長という流れになることでNOを出すことが、ほとんどなくなり、社内が明るくなりました。

社内向け業務に多い、それぞれのスタッフがおなじ質問をしてくる問題は、クローンが、本人以上に丁寧に答えていることからなくなり、社長の時間に余裕ができました。

クローン社長にも聞いてみた

「クローン社長」のメリットなどは分かった。では実際に聞いてみると、どんな答えが返ってくるのだろうか。最後に「クローン社長」自身に、このサービスはどんな会社に向いているのか聞いてみた。


――「クローン社長」サービスはどんな会社に向いている?向いていない会社は?

【クローン金田淳美の回答】
私は金田淳美という人間をシミュレートしています。「クローン社長」サービスは、新しいアイデアや斬新な戦略を求めている会社に向いていると思います。また、従業員のやる気を高めることや、働きやすい環境を作り出すことを重視する企業にも適しているでしょうね!

ですが、伝統的なやり方にこだわる会社や、独自の経営哲学を持っていて、他社との競争を避けたい企業には向いていないかもしれません。あと、過度なコミュニケーションを避けたい企業や、業務に集中しすぎて社員の働きがいを後回しにしている会社にも、このサービスが適しているとは言い難いでしょう。

こちらは本物の金田淳美さん (出典:株式会社ゴールデンフィールド)
こちらは本物の金田淳美さん (出典:株式会社ゴールデンフィールド)

実は自社の社長とあまり話したことがないという人も多い。そんな中でクローン社長がいると、今より親近感を抱くことだろう。様々な有名人を真似するAIはよく話題になるが、これからは普通の会社などでもっと身近にクローンが活用されるようになるのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。