13日のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」では、「能動的サイバー防御」やサイバー人材の確保などをめぐって、与野党の論客が議論した。
「能動的サイバー防御(アクティブサイバーディフェンス)」とは、サイバー空間での安全保障を強化するため、攻撃者を監視して先手を打つなどの対抗措置を取ることで、昨年12月に政府が閣議決定した「国家安全保障戦略」などに明記されている。
自民党の佐藤正久元外務副大臣は、「サイバーは、攻撃側が圧倒的に有利だ。守る方は大変だ」とした上で、「日ごろから怪しいと思ったら、そこを見ておく。1回攻撃を受けたら攻撃側を特定し、(場合によってはマルウェアを送って)無力化しないと、二の矢、三の矢を防ぐことができない」と指摘した。
そして、能動的サイバー防御の法整備の必要性を強調し、「立憲民主党が賛成したら、議論は加速化される」と述べた。
この記事の画像(2枚)これに対し、立憲民主党でデジタル政策PT座長を務める中谷一馬衆院議員は、「攻撃的な視点を持って防御力を高めるという総論は、みんな理解すると思う」とする一方、「各論については、国会で慎重に議論しないといけない」と述べた。
その上で、「対応能力がばれるので情報を出せないというのが非常に多い。憲法でも秘密会が認められているので、野党側に本質的な情報を共有してくれれば、建設的な議論ができる」と述べた。
一方、ホワイトハッカーをはじめとするサイバー人材の確保について、佐藤氏は、「自民党は高い報酬を提示しないと集まらないと言っているが、事務次官が防衛省で最高年収という状況を超えた給与体系は非常に難しい」とした上で、「『事務次官の給与の壁』で、日本の安全保障が担保できないのは本末転倒だ。政治主導で壁をぶち破らないといけない」と強調した。
また、中谷氏は、「3千万円の給料を出しても、1億円もらっている人からすれば給料が下がることになる。給料が3分の1、あるいは2分の1になったとしても国防にモチベーションを持って来てくれる人たちはいるかもしれない。その人たちをどうマネジメントする組織をつくるか」と問題提起した。
その上で、「トップガンの人たちが働きやすい環境をどう作り、インフラを含め日本のサイバー環境を守っていくか。重要な課題だ」と強調した。