熊本市の慈恵病院は6月には、3例の内密出産があったと発表し、これまでの事例を合わせると14例となる。また、内密出産で生まれた子どものうちの1人について、初めて育ての親との特別養子縁組が成立したことが明らかになった。
慈恵病院の内密出産 計14例に
慈恵病院によると、2023年6月に病院の一部の職員にのみ身元を明かし出産する「内密出産」で3人の成人女性が出産し、これまでの事例を合わせると14例の内密出産が行われたことになる。

12例目・13例目はいずれも西日本在住、14例目は県外在住の成人女性だ。3人とも入院中や退院後に身元を明かしたが、慈恵病院では「分娩(ぶんべん)直後に内密出産を希望した場合」を事例としてカウントするため、2021年12月に導入されて以降、これで14例となる。

12例目の女性は「自ら育てられない」として特別養子縁組を希望し、子どもは民間のあっせん団体を通して特別養子縁組を前提とする育ての親が養育している。
13例目の女性は子どもを自ら育てることを選択。

14例目の女性は特別養子縁組を希望していて、子どもは児童相談所を通して現在、乳児院で養育されているということだ。
内密出産で初の特別養子縁組が成立
また、蓮田理事長はこれまでに内密出産で生まれた14人のうちの1人について、初めて育ての親と法律上も親子関係となる特別養子縁組が家庭裁判所の審判を経て成立したと明らかにした。

蓮田理事長:
その後(内密出産で生まれた後)の人生を幸せにたどれるかが大事。負の連鎖を断ち切らないといけないとずっと思っていたので、そこの安心感はうれしい
蓮田理事長はこの他の事例についても「複数で特別養子縁組に向けての手続きが進行中」と話した。
(テレビ熊本)