最先端のスポーツテクノロジーが、東京ビッグサイトに集結した。
この記事の画像(24枚)キレッキレの筋肉を動かしながらトレーニングする人に、グループで互いを高め合いながらトレーニングする人。
東京ビッグサイトで行われているのは、スポーツや健康事業を行う企業580社が集結したイベント「SPORTEC 2023」だ。
その中で今回αが注目したのは、“テクノロジー”を使い、“手軽に”健康を目指せる機器だ。
まずは1台5役、自宅で簡単にスポーツジムのトレーニングができるマシーン「Smart Home Gym」を使って、スタッフがスクワットをしてみた。
重さを設定し、台につながるバーを持ってコントローラーのスイッチを押すと――。
リポート:
いきなり肩に重さがかかってきましたね。まだ10キロなので、大丈夫ですね
通常はおもりで負荷を調整するが、「Smart Home GYM」は台に内蔵された電気とモーターを使い、コンピューターで重さをコントロールする。
重さは500g単位で細かく設定でき、最大120㎏まで調整できる。
試しに、40kgに設定してみると…
リポート:
下に押しつぶされる感じがします。重い…
手元のスイッチで重さの電源が操作でき、安全性も高いという。
続いては、「カラダスコープ」。
筋肉の収縮を読み取るセンサーがついたベルトを巻き、ダンベル運動をすると…
リポート:
ベルトとアプリを連動させて、目と耳で、トレーニングが正しく行えているか確認することができます。
正しくできていないと、「ジッ ジッ」と、音で教えてくれる。
見本動画も見ながらトレーニングできるため、筋トレ初心者の人でも無茶なトレーニングによる事故を防ぎ、正しく効率的に行えるよう導くことができるという。
そして、トレーニングだけではなく、自分の体を理解することも大切だ。
「シセイカルテ」は、写真を数枚撮るだけで、AIが体のゆがみなどを計測してくれる。
60点と、スコアがいまいちだったスタッフのデータを見てみると、「未来の姿勢」の予測確認できる。
今までは、人の感覚で効果を実感してきたような整体院・リハビリなどでも、施術の前後で比較ができるため、店と客の双方にメリットがあるという。
スポーツ・健康ビジネスの拡大を実感する主催者は次のように語った。
TSO International・佐々木剛社長:
社会においては、運動とかスポーツというのは最も大事な要素の一つ。
メーカーは健康の伝道師だという誇りをもって出展してもらっているので、今後そういったものを伝えていきたい。
人生100年時代を担う企業が揃うこのイベントは、4日まで開催している。
ライト運動層のきっかけさまざま
「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
スポーツとテクノロジーの最先端を見てきましたが、いかがでしたか。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
いま、この分野への人々の関心は高い。
私も老後の健康を意識して、週1回の筋トレに通い始めて3年半。運動は体調だけで無く、精神もリラックスさせ、快調に過ごせるようになった。
いま、私のようなライト運動層が増えていて、筋トレ・ウォーキング・ジョギングなど、ライトに運動する人口は5185万人に達していて、特に筋トレ人口は16年で約2倍になった。
運動へのモチベーションで大きいのは、若い世代はダイエット目的や、フィジカルそのものがおしゃれであることに対して、ある年代を超えると、老後を見据えた健康への不安解消のためとなる。
ただ、運動ははっきりとした効果がないと、なかなか続かないという方は多い。
そこで、VTRにもあったような運動の効果が数字で見える化されると、モチベーションがアップして運動の継続につながる
可視化と体感によってハード化
堤 礼実 キャスター:
確かに、スマホのアプリなどで、その効果が分かるとやる気になりますよね
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
今回の“カラダスコープ”のように、独自センサーで筋トレ中の筋肉を可視化して、効率的に運動できるスマホの専門アプリも登場して、テクノロジーを活用した健康増進が進んでいる。
こうした数字で効果が示されたり、自分の体調がいい方向に向かうと運動が楽しくなり、体にかける負荷を増やして、ハードな運動層へと移っていくケースは多い。
その受け皿となっているジムへの関心は高く、いま大都市圏を中心に気軽に利用できる24時間ジムの数も、法人経営の大手だけでも2720店舗に達していて、健康増進への環境が整いだしている
堤 礼実 キャスター:
健康志向の高まりを受けて、ビジネスとしても大きく成長しそうですね
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
レジャー白書による、日本のフィットネスクラブ市場は4130億円。
コロナ禍の打撃を受けるまで、8年連続で前の年を上回る成長が続いていたため、アフターコロナの始まりとともに、さらなる伸びが期待されている。
健康でいることは予防医療にも繋がり、個人はもちろん、企業や国にとっても重要で、運動は一億総健康社会の後押しをする最も重要な取り組みとして、今後も更なる市場拡大が見込めそうだ
堤 礼実 キャスター:
健康維持のためにも体を動かすべきだとわかっていても、なかなか効果がわかりにくかったり、続かなかったり、ハードルは低くないように感じます。
でも、効果を可視化することでやる気につながったり、手軽に、そして正しく体を動かしやすくなると、運動へのハードルも下がりますね
(「Live News α」8月3日放送分より)