利用者に大きな影響が出たしなの鉄道の脱線事故。しなの鉄道は2日、会見を開き「木製の枕木の老朽化でレールの幅が広がったことが事故の原因とみられる」と発表した。2024年度末までに一部をコンクリート製の枕木に変更するなどの対応をするという。

事故現場の木製の枕木は約30年間使われる
事故現場の木製の枕木は約30年間使われる
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事故現場の木製の枕木は約30年間使用

6月12日午前8時45分ごろ、しなの鉄道の上田駅構内で回送列車が脱線した。

4両編成の車両のうち3両が脱線したが、けが人はいなかった。

車両の撤去作業や安全確認のため一部区間は3日間運休が続き、およそ2万3000人に影響が出た。

原因はー。

事故からおよそ2カ月。8月2日、しなの鉄道が会見を開いた。

しなの鉄道・土屋智則社長:
木(製)枕木の老朽化による軌間拡大が原因とみられる

事故現場の木製の枕木はおよそ30年間使われていた。

4両編成の車両のうち3両が脱線
4両編成の車両のうち3両が脱線

木製の枕木が老朽化 くぎが倒れ…

回送列車は踏切のカーブを超えた所で脱線したとみられる。

カーブでは一方向に力が加わる。木製の枕木が老朽化していたためレールを固定するくぎが倒れ、幅が広がり脱線したという。

しなの鉄道によると年1回、枕木の点検をしていたが、異常は見つからなかったとしている。

しなの鉄道・北原秀一運輸担当部長:
外見上ではわからなかった。表面上はいいけど中が腐っていて、くぎがしっかり効いていない。力が弱くなっているのが分かりづらかった

脱線の原因は
脱線の原因は

枕木をコンクリート製へ

事故を受け、木製の枕木は曲線部分はすべてコンクリート製に。直線部分は3本に1本をコンクリート製に2024年度末までに変更するという。

しなの鉄道によると、およそ30万本ある枕木の1割が木製だが「本線」は既に全てがコンクリート製だという。

しなの鉄道・土屋智則社長:
本線は安全、社員一同安全運行を心がける。お客さまには安心して利用いただきたい

しなの鉄道で脱線事故(6月12日)
しなの鉄道で脱線事故(6月12日)

(長野放送)

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