「未払い料金がある」などとウソをついて金銭等をだまし取る、架空料金請求詐欺には様々な手口がある。

最近では、“自動音声”で電話をかける詐欺の相談が増えているとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。

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例えば、かかってきた電話に出ると自動音声が実在する事業者を名乗り、「未納料金がある」として「このままだと法的措置を取る」などと言われるというのだ。

7月14日に同センターが公表した資料によると、特に「NTTファイナンス」をかたるケースが多くなっているという。

この資料では、実際に自動音声で「NTTファイナンス」を名乗った詐欺の手口について、以下のような例を紹介している。

【事例1】携帯電話の留守電に大手電話関連会社を名乗る着信があり、自動音声で「未納料金が発生している」と伝言が残っていた。覚えがなく不審なので無視してよいか。
(2023年5月受付 40歳代 男性)

【事例2】スマートフォンに、契約したことのない電話関連会社を名乗る事業者から「料金未納が発生している。放置すると法的措置を取る」という自動音声の電話があった。不審に感じ、何もせず電話を切った。その後、事業者の電話番号を自分で調べて確認すると「未納料金の請求は電話では行わない」と言われた。
(2023年6月受付 50歳代 男性)

【事例3】携帯電話に、契約中の通信業者関連企業を名乗る着信があり、自動音声で「未納料金がある」と言われた。ガイダンスにしたがって番号ボタンを押したところ、オペレーターにつながり、生年月日と名前を言ったら電話が切れた。不安だ。
(2023年5月受付 50歳代 男性)

そして、このような詐欺の手口に対し、同センターは4つのアドバイスを紹介した。

・電話で身に覚えのない未納料金を請求されても絶対に相手にせず、無視してください。
・非通知や知らない番号からの電話には出ない、かけ直さないことがトラブル防止に効果的です。
・不明な点がある場合は、事業者の本来の連絡先を自分で調べて、問い合わせてください。
・不安を感じる場合は、消費生活センターや警察に相談してください。

なお、NTTファイナンスは同社のサイトに今年3月、自動音声を使って契約状況に関する事項などを通知することはないと、「『NTTファイナンス』をかたった不審なSMSや訪問及び自動音声による電話にご注意ください」と呼びかけている。

4月以降に自動音声の詐欺電話が増加

しかし、自分が契約中の通信業者などを名乗られれば、身に覚えのない料金かどうか分からないこともあるかもしれない。そのような場合はどうすればいいのか?また、 このような自動音声の詐欺はいつ頃から目立って増えているのか?

国民生活センターの担当者に聞いた。


――自動音声の詐欺はどのくらい増えている?一方で、これまであった詐欺電話は減っている?

件数は出していませんが、感覚的には自動音声でない電話の相談は感覚的には減ってきていて、自動音声は現時点で昨年と同じくらいの量がきているという印象です。


――自動音声を使った詐欺は、いつごろから増えている?

自動音声を使った詐欺は、過去にすごく増えてその後は目立たなくなっていたのですが、今年度になってからまた増えてきた印象です。


――自動音声の詐欺にはどんな対策をすればいい?

留守番電話の機能を利用し、基本的に掛かってきた電話には出ないようにします。お知り合いの方からの電話でしたら折り返すのがよろしいかと思います。

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――料金や事業者が「身に覚えがないか分からない」場合はどうしたらいい?

本当の契約先の事業者の連絡先を自分で調べて、本来の連絡先にご自身で確認されるのが良いでしょう。


――「身に覚えがない」電話は切ってもいい?

基本的に切ってしまっていいです。NTTファイナンスや多くの事業者も、そういった形では請求してこないと思いますので、無視してよろしいかと思います。

高齢の方などですとなかなか難しいこともあるかと思います。しかし、少しでもおかしいと思ったら、すぐに支払うような対応ではなく、ご家族にご相談したり、警察に相談したり、本当の契約先に聞くなどをしていただきたいです。


――電話が詐欺か本当かを見分けられるような特徴はない?

なかなか難しいですが、ただATMまで行って操作方法を教えるような電話は絶対怪しいです。

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なお、同センターが公開している「消費者トラブルFAQ」にも、不審な自動音声の電話についての対応を紹介。「詐欺の疑いがあります。電話をかけ直さず、無視してください。不安な場合は、消費生活センターに相談しましょう」としている。

このような電話がもし掛かってきた場合は、慌てずに対応してほしい。

(消費者トラブルFAQ :https://www.faq.kokusen.go.jp/ )

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。