高校野球は男子だけでなく、女子も熱く盛り上がっている。女子の硬式野球部は全国で年々増えていて、その数は現在60校!福島県の学法石川高校・女子硬式野球部は2022年発足。県内の高校で唯一の女子野球部が甲子園を目指す。
つなぐプレーが女子野球の魅力
学法石川高校・女子硬式野球部の大原悠加選手は福島県三春町出身。中学校で野球をはじめ、男子部員に交じりプレーをしてきた。「スピード感と打球の強さが男子より劣っているが、その代わりにつなぐプレーで女子野球をやっているので、そこは男子と違って魅力」と話す。

夏の大会 決勝は甲子園
彼女たちが目指す舞台は「甲子園」 この夏に開幕する全国大会には、これまでで最も多い58校が出場予定で、決勝は甲子園球場で行われる。
創部から3カ月で挑んだ2022年は、初戦で敗退。全国のレベルの高さを痛感した。まずは、1勝。そのための練習を日々重ねている。

野球のために親元を離れて
女子野球部の部員は、全員が親元を離れての寮生活。茨城県や栃木県など県外から、野球のために進学した部員がほとんど。栃木県出身の2年生・鶴見星空選手は「最初は反対されて、近い作新学院に行きなさいって言われてたんですけど、近くにいると甘えちゃうし」と学法石川を選んだ理由を話す。

また、福島県二本松市出身の1年生・出川綾乃選手は「落ち込んでいる時とかも周りが支えてくれるんで、独りぼっちじゃない」と話した。苦しいことも楽しいことも分かち合う。

大原悠加選手が「練習以外でみんなとコミュニケーション取れるので結構楽しいし、家族みたいな感じ。大変だけど、この寮生活があるからこそみんな楽しく野球出来ていると思う。全員で一勝でも多く、長い夏にできるように頑張っていきたい」と話すように、目指すべきチームの姿を共有し連携を強めている。

週末には他県に遠征
練習は、その日ごとに打撃・守備の強化メニューを組み、週末は他県に遠征して練習試合を重ねている。女子野球部を率いるのが、五十嵐竜亮監督。学法石川高校出身で、甲子園を目指していた。BCリーグでプレーの経験がある元野球選手。

五十嵐監督は「正直、僕の時代は女の子が野球やるってまだ身近なことではなかった。こうやって男性でも女性でも関係なく、野球人口は増えていってくれればいい。三大大会で、まだ一勝できてないので、まずは一勝して歴史を作る」とチームへの期待を語った。

野球愛・努力は誰にも負けない
掲げるスローガンは「苦の中に光あり」 野球を愛し、勝つための努力は誰にも負けない。
大原悠加選手は「甲子園を目指してやってきているので、強い相手と当たるとしても、みんな諦めず、その土を踏めるように頑張っていきたいと思います」と意気込みを語った。
新たな歴史を刻む女子学石ナイン。夢の舞台を目指し、突き進む。

全国大会は7月22日開幕。学法石川高校は24日、過去に優勝経験もある強豪・京都府の福知山成美と対戦する。
(福島テレビ)