「白バイ貝」は、透明感のある白い身が特徴だ。語呂合わせで「めでたいことが倍々になる」と、北陸地方を中心に祝いの席に欠かせない縁起物として重宝されている。
北海道から福岡までの日本海で水揚げがあり、山陰でも隠岐を中心に年間を通して安定した水揚げがあるが、多くが北陸方面へ出荷され、地元・山陰ではあまり知られていないのが現状だ。
そんな「白バイ貝」を新たな特産品として売り出そうという、島根県の取り組みに注目した。

新鮮な白バイ貝をシンプルに提供

JALふるさと応援隊・木村祥さんは、松江市内の飲食店「炉端かば松江駅前店」を訪れた。お目当ての「白バイ貝」が、この店では刺身で提供されていた。

店長のおすすめ「白バイ貝刺身」
店長のおすすめ「白バイ貝刺身」
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近藤祐太店長から白バイ貝の刺身を勧められた木村さんは、「初めてです。コリコリして上品な甘さがあります」と、初体験の「白バイ貝」を味わった。さらに、新鮮な「白バイ貝」の握り寿司に、木村さんは思わず表情が緩んだ。

「白バイにぎり」
「白バイにぎり」

JALふるさと応援隊・木村祥さん:
握りにしてもおいしいです。貝好きにはたまりません。甘くておいしかったです

炉端かば 松江駅前店・近藤祐太店長:
当店では、新鮮な白バイ貝をお客さまに楽しんでほしくて、お刺身や握り寿司で提供しています

あえてシンプルな仕立てに
あえてシンプルな仕立てに

白バイ貝のおいしさを、まずはそのまま楽しんでほしいという思いから、あえてシンプルな仕立てにしているという。

炉端かば 松江駅前店・近藤祐太店長:
白バイ貝は、甘くておいしいので、いろいろな人に食べてもらって、広まってほしい

31の飲食店が参加 知名度アップ目指す

島根県内の「白バイ貝」の水揚げは、年間約400トン。毎年、隣の山口県と全国トップの座を競う主産地だ。しかし、水揚げのほとんどが、おでんの具材として、特に人気が高い石川県など北陸方面に出荷されていて、地元・島根では影の薄い存在になっている。

島根県 農林水産部・川瀬翔馬さん:
島根でとれた多くが、石川県の金沢の方にいっていて、なかなか地元で食べられていないということもあり、もっと知ってもらおうということで、「白バイ貝」が今回のキャンペーンの対象になっている

3年前から展開されている「白バイ貝を食べに行こうキャンペーン」
3年前から展開されている「白バイ貝を食べに行こうキャンペーン」

そこで、地元での知名度アップを目指し、島根県は3年前から「白バイ貝を食べに行こうキャンペーン」を展開している。2023年は、7月10日から1カ月間、県内31の飲食店が参加している。

S-PARK・松尾孝則さん:
お待たせしました。「白バイ貝とトマトの冷製パスタ」です

パスタにはたくさんの白バイ貝が入っている
パスタにはたくさんの白バイ貝が入っている

JALふるさと応援隊・木村祥さん:
おいしそうです。こんなにたくさん、大きいものが入っているんですね

「白バイ貝とトマトの冷製パスタ」
「白バイ貝とトマトの冷製パスタ」

キャンペーンに参加している「S-PARK」が提供しているのは、「白バイ貝」がたっぷり入った冷製パスタだ。

JALふるさと応援隊・木村祥さん:
白バイ貝とトマトの組み合わせが夏にぴったりで、爽やかでおいしいです。お刺身とは違った味わいですね

S-PARK・松尾孝則さん:
「白バイ貝」を少し炙っていて、香ばしさと食感が変わって、歯切れがよくなるように仕上げています

炙ることで香ばしさが出る「白バイ貝」
炙ることで香ばしさが出る「白バイ貝」

軽く炙ることで、香ばしさを引き出し、生の「白バイ貝」との食感の違いを楽しむことができるという。

「おいしいのにあまり知られていない」

JALふるさと応援隊・木村祥さん:
「白バイ貝」にあまりなじみがなかったんですが、こうしていろいろな形で楽しめる食材なのですね

S-PARK・松尾孝則さん:
そうなんです。おいしいのに、あまり知られていないので、いろいろなアレンジメニューを通じて、皆さんに「白バイ貝」を知っていただければ

島根県は、こうしたキャンペーンを通じて、「白バイ貝」をまずは「食べて」もらい、地元でも知名度アップを図り、ブランド化を目指す考えだ。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
TSKさんいん中央テレビ

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