水害や土砂災害から住民だけでなく、観光客も守る全国初の取り組みが、山形・大蔵村の肘折温泉で始まった。危険な場所をあぶり出し、温泉街だけの新たな防災マップを作る。

地図には書かれていない“危険箇所”も

7月9日・10日と、2日間の日程で行われている現地調査には総勢20人ほどが参加し、過去の被害現場などを見てまわった。

この記事の画像(8枚)

そのひとつ、住民たちが肘折の“暴れ川”として恐れている銅山川。

3年前の水害では温泉街を襲い、護岸が大規模に崩れ落ちたほか、下流では道路が崩落し集落が孤立する被害も出た。

それ以前にも、大規模な地滑りなど幾度となく豪雨災害に見舞われながら、その都度復旧を果たしてきた地元の人たち。

もちろんハザードマップは存在するが、地図には書かれていない危険箇所が複数確認されていて、宿泊客や観光客を安全に避難誘導する新たな防災マップづくりが不可欠だった。

調査には岩手・弘前、秋田大学の専門家も同行し、危険なエリアをあぶり出した。新たな危険箇所が見つかれば、避難経路の練り直しが必要となる。

肘折温泉地区代表・大友久士さん:
ハザードマップは何種類かあるが、土砂崩れなどの危険性は以前より高まっている。宿泊客を含め人的被害が起きないよう努力していく

新たなハザードマップは、10日の調査結果をもとに地図に落とし込み、避難訓練などを経て、2024年12月には旅館やホテルにも配布される。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
さくらんぼテレビ

山形の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。