コロナ禍を経験した20代の仕事選びが変化している。今、若い世代の仕事観や働く意識が変わっているという実態が明らかとなった。

就職や転職サイトなどを運営する株式会社学情が今年6月、20代の社会人260人に転職先の仕事で重視するポイントをアンケート調査で実施。

この中で、まず「新型コロナウイルス禍を経て、仕事選びの軸が変化したか」について質問し、「変化がある」と答えた人は26.2%、「どちらかと言えば変化がある」は29.6%。この2つを合わせると、6割近い55.8%が「変化があった」という。

(出典:株式会社学情)
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では具体的に、仕事選びで何を重視するようになったのか。回答の1位はテレワークなどにも関わる「勤務形態(60%)」で、次いで「仕事内容(48.3%)」や「企業の安定性(42.8%)」が続く結果となった。

ちなみに「年収・待遇」は5位(35.9%)、「残業の有無」は10位(12.4%)だった。

(出典:株式会社学情)
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一般的に、仕事選びで気になるのは仕事内容や収入面という印象があるが、なぜ若い社会人はテレワークを最も重視しているのだろうか。

では出社もOKという人の割合はどのぐらいなのか?コロナ禍の前はなにを希望する人が多かったのか? 株式会社学情の担当者に聞いてみた。

コロナ禍前の第二新卒の1位「休日・休暇」​

――まず、コロナ禍前に20代が仕事選びで一番重視したポイントを教えて。

2019年9月に実施したアンケートで、求人情報を見る際に重視するポイントは、卒業後3年以内の第二新卒では、1位「休日・休暇」、2位「職種・仕事内容」、3位「給与」。

20代後半のヤングキャリアでは、1位「職種・仕事内容」、2位「給与」、3位「休日・休暇」となっておりました。

(出典:株式会社学情)
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――転職活動などで、実際に希望する勤務形態もやはりテレワークが多い?

希望する勤務形態は「出社とテレワークの組み合わせ」が最多となっています。

(出典:株式会社学情)
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現在の勤務形態別にみると、「テレワークで勤務」している人は、希望する勤務形態も「テレワーク」が最多。「出社で勤務」している人が希望するのは「出社とテレワークの組み合わせ」が最多。「出社とテレワークを組み合わせて勤務」している人は「出社とテレワークの組み合わせ」を希望するのが最多となっております。

「柔軟に働き方・働く場所を選択できること」を重視する傾向

――実際の転職でも「出社必須」が敬遠されたりする?

「テレワーク可」の求人は人気ですが、希望する勤務形態は「出社とテレワークの組み合わせ」が最多となっています。社内でのコミュニケーションや連携を図るため、出社の機会も欲しいと考える20代が多い傾向です。


――コロナ禍後の仕事選びについて、どんな声が寄せられている?

以下のような声があがっておりました。

・「職場の風通しのよさなど、どのような勤務形態でもコラボレーションが可能な企業は魅力を感じる」
・「通勤時間がもったいないと感じるようになった」
・「コロナのような環境変化、脅威に対してどう対処したかを意識している」


――コロナが5類に移行したが、テレワーク重視など仕事選びのポイントが変化した状態は今後も続く?

「テレワーク重視」ももちろんですが、それ以上に「柔軟に働き方・働く場所を選択できること」を重視する傾向が、今後も続いていくと想定しています。

(画像はイメージ)
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なお調査では、20代の社会人に5類移行後の勤務形態を聞いており、圧倒的に多い7割が「出社」で、「テレワークと出社の組み合わせが」が25.4%、テレワーク勤務は4.6%にとどまっている。そして、以下のような声が寄せられていた。

・「テレワークは働きやすいものの、毎日だとコミュニケーションが取りにくいと思う」
・「仕事内容に応じて、働く場所を柔軟に調整したい」
・「テレワークと出社を組み合わせることで、メリハリをつけて働けると思う」

仕事の形態は時代によって変わっていくものだと思うが、これからはテレワークと出社の組み合わせが主流になっていくのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。