「どちらが勝つか」ではない
この記事の画像(5枚)自民党総裁選。
楽しみは、残念ながら、どちらが勝つか、ではない。
実は、党員票で、石破さんがどれだけ踏ん張るか、でもない。
議員票でこれだけ差がついているんだから、安倍さんが勝つだろうし、石破さんが党員票で追い上げて、今後に影響力を残しても、世間は「ふーん、そう?」という反応ではないか。
それから、石破さん支持の斉藤農水大臣が、安倍さんサイドからいじめられた、と騒いでる皆さん。
権力闘争なんだから、子供みたいな事言わないで頂きたい。
斉藤さんもカッコ悪いぞ!
小泉進次郎氏はどちらに投票するか
僕の楽しみは、小泉進次郎さんが、どちらに投票するか。これだけ。
先日、本人に「どうするのか」と聞いたところ、「まあ、投票終わってから、何も言わない訳にはいかないんだよね」と言っていた。あの人は興奮するとお父さんに口調が似てくる。
口調はさておき、進次郎さんは、どうやらどちらに投票したかは明らかにするらしい、ただし事前には言わない、従ってどちらかを応援することはしない、ということ。
これは安倍さんにとっては悪くない話だ。少なくとも小泉・石破連合は作らなかった。
安倍さんにとってはこれで十分。
だから進次郎さんが石破さんに入れても、安倍さんは許すと思う。
一方の石破さんはつらい。
連合も組んでもらえず、万一安倍さんに投票されたら、万事休すだ。
ただ進次郎さんは、安倍さんに入れたら、権力に屈したように見えるからイヤかも。ということは石破さんか。
3年後、進次郎氏はどう絡む?
しかし3年後のことを考えるとことはそう単純ではない。安倍さんは最後の総裁選だと言っており、一応次は出ないらしい。
だから3年後は、石破、岸田、河野太郎あたりの戦いになる。
本命がいないので、2,3位連合とかそういう複雑な方程式になる。
そこに進次郎さんはどう絡むつもりなのだろう。
安倍さんがレームダックになれば、反安倍連合が勢いづくだろうが、そうでなければ安倍さんは、第1派閥の細田派(安倍派)と第2派閥の麻生派をバックに、後継選びに強い影響力を持つことになる。
現時点ではどちらになるかわからない。
だから進次郎さんはここはダンマリを決め込んだ方がいいと思う。
ちなみに「なぜおまえは進次郎ばかり推すのだ」「何の実績もないのに」などというご批判をよく頂くが、まだ37歳ですから。
オヤジの純一郎さんが37歳の頃は全く無名、安倍さんに至ってはまだ政治家にすらなっていなかった。
それに比べれば進次郎さんはあの年でよく経験を積んでる方だと思うんですけどね。
(執筆:フジテレビ 上席解説委員 平井文夫)