北海道東部の標茶町の牧場で6月24日、乳牛がヒグマに襲われ死んだ。北海道庁や専門家らによる対策会議が28日、標茶町で開かれ、今回の乳牛襲撃はDNA鑑定の結果、OSO18の仕業だったことが明らかにされた。
4年前から牛を襲い続け66頭目に
OSO18は4年前から牛を襲い続けているヒグマ。
この記事の画像(8枚)被害はこれで66頭目に達した。
OSO18捕獲対応推進本部会議には、北海道庁や被害が相次いでいる標茶町や厚岸町、専門家ら約30人が出席。
会議の中で、24日に標茶町上茶安別の牧場で放牧中の牛1頭が死んでいたのが発見された事案で、付近にあった毛をDNA分析をした結果、OSO18のものだったということが北海道庁から報告された。OSO18の活動は一時沈静化していたが、2023年に入って初めての被害とみられている。
OSO18の活動再開を受けて、今後の対策が話し合われ、以下のような作戦を遂行することとなった。
■標茶町と厚岸町のOSO18の通り道と推測される地域にヘア・トラップおよび自動撮影カメラを設置し、行動地域を特定
■OSO18が被害牛に執着している可能性があることから、被害牛を残置し、周辺にくくりわなを設置し捕獲を試みる
■OSO18とみられる個体が出没したデントコーン畑を中心に、収穫前にくくりわなを設置し、捕獲を試みる
牛を襲い続ける"忍者グマ"も
また会議では、NPO法人南知床・ヒグマ情報センターから、OSO18は人間の匂いに非常に敏感であることが報告された。
さらに、新たな事実が…。
2023年はOSO18以外にも、大きなクマが複数現れ、OSO18の行動を阻んでいる可能性があるというのだ。
NPO法人南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖 主任分析官:
昨年はもう一歩まで追い詰めているので今年は捕獲まで済ませたい
特別対策班は、クマや足跡などを発見した際は町に連絡するよう呼びかけている。
(北海道文化放送)