2023年6月19日に最終回を迎えた、木村拓哉さん主演の月9ドラマ「風間公親 教場0」。
教官である風間公親が厳しくも愛ある指導で若手警察官を育てていく姿が話題となっているが、シリーズを通して作品の舞台となっているのが「警察学校」だ。今回テレビ長崎は、長崎の「教場」のリアルを取材した。

長崎の「教場」で励む学生たち

長崎市街地から少し離れた山沿いにある長崎県警察学校。警察学校の訓練は早朝6時半から始まる。

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学生:
1、2、3、4、5

教官:
遅れた者、手を挙げろ。最低限の体力つけて卒業しろよ

長崎県警察学校は約140人が学ぶ長崎の「教場」だ。
木村拓哉さんが主演し、フジテレビで月曜夜9時から放送され、2023年6月19日に最終回を迎えた「風間公親 教場0」も警察学校が舞台となっている。

長崎の警察官の卵は、半年から10カ月の間、仲間と寮生活で衣食住をともにし、一人前に育っていく。

学生:
副校長がお見えになりました。気をつけ、敬礼!

仕事に直結する法律や署の業務などを学ぶ。80分の授業を1日5コマ。学生たちは学校生活の大半を、この「教場」で過ごす。

学生:
教場に入ったら気持ちがピリっと、心が締まる

学生:
わからないことがあったら班員に聞いて、覚えていること・ないことを共有していい学びができている

厳しい訓練で鍛えられる“心と身体”

ドラマでは風間公親が道場で剣道の腕を磨くシーンが印象的だが、警察学校でも、まちの人を守れる体作りのため、剣道・柔道の鍛錬を欠かさない。8割ほどが初心者だが、厳しい訓練にも必死にくらいついていく。

剣道を指導・島田貴文校長補佐:
体も鍛えるが心も鍛える。被疑者と対峙(たいじ)したときに自分が冷静に判断できるか。どれだけの間合いがあって、どういう雰囲気かを感じられるように剣を交えて指導している

学校生活での数少ない癒やしの一つが食事だ。
献立は管理栄養士が決める。この日の昼食は「肉そばつけ麺 かにかまサラダ」。体力をつけるため、一般的な成人男性の1日の摂取カロリーの半分にあたる約1,000kcalを1食で取るようにしている。

学生:
おいしいです

学生:
楽しみにしているのは毎週金曜日のカレー。毎週いろんな味が出て、先週はココナッツカレーだった。さまざまな種類があって毎日美味しいです(来る前は)同じようなメニューが多いと思っていたが、毎日違うので楽しみ

「信頼される警察官」としての姿

この日の午後は「教練」といわれる団体行動の授業。被疑者の確保など、危険をともなう職務もある警察官にとっては規律や統率の乱れが命取りだ。指揮官と部隊員に分かれ、指定された動きを80分繰り返す。

学生:
ただいまから方向変換ならびに隊形変換を実施する

長崎県警察学校・川上武教官:
気をつけしろ、指が伸びとらんぞ

号令を出す学生が部隊を指示通りに動かせているか、普段は優しい教官から厳しい言葉が飛ぶ。

学生(号令役):
3歩前へ進め!左向け左、休め

長崎県警察学校・川上武教官:
待てって。自己整頓やろう、部隊を見ろ

すかさず教官から指導が入るが、学生は部隊一人一人の動きをきちんと確認する前に号令を出してしまう。

学生(号令役):
休め!

長崎県警察学校・川上武教官:
まだって!戻っとらんやろうが。しっかり部隊を見て、号令通りに動いているかを確認して、確実に一つ一つ号令を出す、焦りすぎ

厳しい言葉は「まちで信頼される警察官になってほしい」との思いの裏返しだ。

長崎県警察学校・川上武教官:
機動隊などに行くこともあるし、そうでなくても街中で活動するにあたって、警察官が節度を持って凛々しい姿で活動することで県民に安心を与える

学生:
ドラマ「教場」は教官と距離があって近寄りがたいイメージがあったが、実際は教官も親身になってくれて過ごしやすい

立派な警察官として羽ばたけるように

警察官としてのイロハをたたき込まれる学生たち。数カ月後には配属が決まり、警察学校を卒業する。

初任科長期課程・宅島亜美巡査:
県民の大きな期待と信頼に応えられる、強く優しい警察官になるのが目標

初任科長期課程・松村泰聖巡査:
子どもたちからあこがれられる、スーパーヒーローみたいな警察官になりたい

長崎の「教場」における学生たちの奮闘が続く。

(テレビ長崎)

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