中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で、当局の関係者に監視されながら取材を行った。

26日、取材班が向かったのは、中国の新疆ウイグル自治区。ここは、人権問題などについて、国際社会の目が常に向けられている場所だ。

取材班の後ろを走る車が、尾行している。

当局の関係者とみられる10人ほどが、監視を続ける中での取材となった。

取材したのはウルムチ。“最も取材が困難”とされている、新疆ウイグル自治区にある中心都市だ。

にぎわう市場には、無数の監視カメラと治安警察の姿があった。

最も取材困難とされる中、より敏感になっている理由があった。

それは、2022年に中国各地で起きた「白紙運動」と呼ばれるデモだ。

習近平国家主席の退陣の声まで上がった、この抗議活動のきっかけが、ウルムチにあるマンションで起きた火災だった。

森雅章記者:
後ろに見えますのが、火事のあったマンションです。火事から半年以上が経ちましたが、いまだに黒ずんで見える場所もあります。

火災では、10人が死亡した。

被害拡大の原因は、習近平政権のゼロコロナ政策による封鎖だとの非難が高まり、抗議活動につながったのだ。
取材に対し口を閉ざす住人たち
取材班は、マンションの近くで、火災当時の状況などを聞こうとした。

記者:
火事のニュースは見た?

住人:
忙しいんだ!

口を閉ざす住人たちが、当局の監視の厳しさを物語っている。
(「イット!」 6月26日放送より)