5月、感染症法上の位置付けが5類に移行した新型コロナウイルスだが、最近、感染者の増加が続いている。

先週の平均患者数は、移行時に比べて2.1倍に

5類移行に伴い、感染者の把握は「全数把握」から「定点観測」に切り替わっているが、6月23日発表された先週一週間(6月12日~18日)の1医療機関あたりの平均患者数は5.6人と5類に移行した5月8日の週と比べると、2.1倍に増えている。

この記事の画像(12枚)

6月に入ってから学校での集団感染も相次いでいる。

たとえば、埼玉県の春日部高校では生徒114人が感染し学校閉鎖に。また、福岡県の福岡大学附属大濠中学校・高校では、複数のクラスでコロナやインフルエンザの症状を訴える生徒がいたとして学校閉鎖になった。

厚生労働省の専門家会合は、「夏の間に一定規模の感染拡大が生じる可能性がある」との見解を示している。

治療薬の活用で「後遺症」を予防・軽減

こうした中で、改めて注目されているのが「コロナ後遺症」だ。

「けん怠感」「頭痛」「睡眠障害」「味覚障害」、このほかにも「脱毛」「嗅覚障害」「呼吸困難」など症状が長引く「後遺症」に悩まされている人も多く、社会問題にもなっている。

こうした後遺症について、医学研究所北野病院の丸毛聡医師は、必要な患者には「コロナ治療薬をもっと活用すべき」と話す。

日本で承認されているコロナ治療用の飲み薬は、塩野義製薬の「ゾコーバ」・メルクの「ラゲブリオ」・ファイザーの「パキロビッドパック」の3種類。

この中でも「ゾコーバ」は、ほかの薬と違い、重症化リスクがない「軽症から中等症Ⅰ」の患者も服用することができ、「けん怠感」「発熱」「鼻水・鼻づまり」「のどの痛み」「せき」といった5つの症状について軽減できるとされている。

こうしたコロナ治療用の飲み薬は医療機関を受診し、医師に処方してもらう必要がある。

丸毛医師によると、「ゾコーバ」などの治療薬を使うことで、“後遺症を予防・軽減する効果を実感している”ことから、特に“発熱やせきなどの症状が感染初期に強く出る人は飲んだ方がいい”という。

現在は、コロナにかかると、発熱やのどの痛みといった症状を抑えるために一般的な薬を使う「対症療法」が中心となっている。

コロナ治療薬は新しい薬のため、不安だという人は、医師に相談するようにしてほしい。

自分で判断がつきにくい「コロナ」 迷ったら医師に相談を

榎並大二郎キャスター:
「後遺症」についてはまだ分からないというところが多いと。私も以前、後遺症外来を取材したんですが、後遺症で苦しむ方もいましたから、斎藤先生、何か不安に思ったら医師に相談ということですかね。

明治大学教授・齋藤孝さん:
風邪なのかインフルなのかコロナなのかって、自分で判断しづらいんですよね。病院に行ってみたらコロナでしたっていう学生も結構いるので、そういう意味では専門家に判断してもらうというのが先決ですね。

宮司愛海キャスター:
後遺症はまだ全体が明らかになっていないですし、これが後遺症なのかというのが分かりづらいこともありますので不安は続きそうですね…コロナ治療薬も、9月末までは公費負担となっているので、自分で判断せずに病院で受診してほしいとのことでした。

(「イット!」6月23日放送より)