農家などの負担軽減に向け、農機具メーカーが開発した「斜面用の草刈り機」の実演会が、山形市で開かれた。参加者たちは「急斜面での草刈りが安全に行える」と太鼓判を押していた。

防災に役立つ根は残し効率的に草刈り

斜面用の草刈り機の実演が行われたのは、広大な斜面が広がる山形市の蔵王温泉スキー場。6月21日、県内各地から農業関係者や造園業者など30人が参加した。

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リポート:
伸びた草がみるみる刈られていきます。この草刈り機には人は乗っていません。この草刈り機はラジコン操作なんです

この斜面用の草刈り機は、九州の農機具メーカーが新たに開発したもので、ラジコンのコントローラーで遠隔操作が行えるのが一番の特長だ。

最大傾斜45度まで対応できるため、人が乗るタイプでは不可能な急斜面でも草刈りができる。

現在、斜面の草刈りでは、円盤状の刃がついたいわゆる「刈り払い機」を使うことがほとんど。しかし、刃がむき出しのためけがをしたり、急斜面で転倒したりと事故が後を絶たない。

それでも田んぼのあぜや堤防の場合、雑草の“根”が土壌の流出を防ぐ役目もあるため、除草剤を使うこともできないという。

キャニコム東日本GM部・加藤克部長:
草も大事な要素。根が土をつかむ。大水が出ても土をつかんで離さないので、堤防が崩れて土砂が流れ込む被害を軽減できる

防災に役立つ雑草の根は残しながら、効率的に斜面の草が刈れるこの機械。値段は1台約450万円。他県ではすでに導入例もあるということで、参加した人たちも興味津々だった。

参加した山形県河川課の担当者:
河川の管理をしていて、堤防の急斜面の草刈りもある。急な斜面にこの機械なら対応できる。特に草刈りでハチが出ると刺される被害も多いが、ラジコンだと安全が確保できる

このラジコン草刈り機を県内の堤防や田んぼで見かける日も近いかもしれない。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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