人手不足や電気代の上昇による値上げの動きが、映画館にも広まっている。

帝国データバンクが、全国展開する大手シネマコンプレックスなど大手映画館あわせて50社を対象に調べたところ、全体の64%にあたる32社が去年以降に映画チケットを値上げしたことがわかった。
このうち27社は今年に入ってからの値上げだった。
一般料金では、改定前は1900円が最も多かったが、50社のうち4割を超える21社が、今年6月以降の鑑賞分から2000円へ値上げし、価格帯として最も多くなった。

値上げの理由が判明した24社のうち、電気料金などを中心とした「水道光熱費の増加」を理由として挙げたのが18社と最も多く、アルバイトなどの「人件費の増加」(16社)、「原材料価格の上昇」(15社)と続く。

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その一方で、プロジェクターやキャッシュレス端末の導入といった「最新設備への投資」など前向きな値上げも16社あり、体験価値を向上させることで値上げへの理解を求めるケースも見られたという。

帝国データバンクは、値上げの波が「モノ」から「サービス」へと広がるなか、映画館のチケット代「2000円化」の動きが利用者に受け入れられるかが、今後の注目点だと指摘している。

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