愛媛では6月4日にミセスのコンテストの地方大会「ミセスオブザイヤー愛媛大会」が開かれ、12人のファイナリストが「美」を競った。その美とは、見た目だけではない、生き方の美しさ。愛媛の輝く女性たちの姿を追った。
“生き方から輝きだす美しさ”を審査
愛媛・伊予市で6月4日、「Mrs of the Year 2023 EHIME」が行われた。コンテストに出場した愛媛のミセスたちは、華やかな衣装に身を包み、輝く笑顔でステージを舞った。

この大会は女性が自分の可能性に気づき、地域のリーダーとして活躍することなどを目的に、全国47都道府県で開催。2023年の愛媛大会には、ブリリアント部門、プレシャス部門、エターナル部門の年代別の3つの部門に、12人が出場した。審査されるのは、一人一人の生き方から輝きだす美しさだ。

本番に向けたファイナリストたち12人のレッスンは、2023年2月に松山市内のスタジオでスタートした。初めての顔合わせでは...。
エントリーした女性A:
20代の時にワインソムリエの資格を取りました
エントリーした女性B:
あと3週間後に51歳になります。孫が2人のおばあちゃんです
性教育の大切さ伝える元警察官
レッスンでまず教わるのは、美しい歩き方や正しい姿勢の作り方だ。

なかしまちはるさん:
体をまず柔らかくしないとなと思いました。硬いままだと、動かそうと思っても動かせなかったので、ストレッチ大事だなって改めて思いました

ブリリアント部門に出場する松山市のなかしまちはるさんは、元愛媛県警の警察官だ。今は性教育を含め、子育てに関することを教える子育てアドバイザーの仕事をしている。
なかしまちはるさん:
元々は警察官として性犯罪の担当刑事をしていたこともあったので、その経験から性教育を伝える仕事を今しています。こうして表舞台に立つことで私を知ってもらって、性教育の大切さをもっともっと広めていきたい思いがあって、エントリーさせていただきました

この日、なかしまさんは松山市内で童謡に合わせて楽しく赤ちゃんの体幹を鍛えるレッスンを行っていた。自身も4人の子どもを持つ母として、子育ての不安や疑問に真摯に向き合っている。
なかしまさんのレッスンに参加した人:
いつも明るくて、何でも話を聞いてくれるし、結構悩んでても「自分の時はこうだったよ」とかいろんなこと教えてくれて、毎回楽しくレッスンしてくれています

コンテストのレッスンの期間中、なかしまさんは、自宅でも料理など家事の最中にヒールを履いている。初回のレッスンで初めて履いた14cmのヒールで歩くことに、少しでも慣れるためだ。
なかしまちはるさん:
当日は今まで積み上げてきたものを全部出し切れるように、私のこの思いが会場に来た方に届くように精いっぱい全力を出して、一番いいところを、グランプリを取りたいなと思ってます
“一歩出る勇気示す”アート教室の講師
宇和島市の山下ちとせさんは、友人からの勧めで出場を決めた。エントリーしたのは43~60歳までのプレシャス部門だ。
山下ちとせさん:
変わりたいなと思っていたタイミングで、出てみたらと声をかけていただいて

山下さんの仕事は墨を扱うアート教室の講師で、元々、小中学校の図工美術の講師をしていて、5年程前から宇和島市でアート教室を開いている。
山下ちとせさん:
都会に行かないとできなかったことを田舎であっても宇和島でできるっていう、そういう環境を作ってあげることにも力を入れようってやっています
生徒A:
いきいきとして、同じ女性として憧れます
生徒B:
(コンテスト出場で)今以上に内面的、外面的に輝いていただきたいですね

山下ちとせさん:
習い事をこれからしてみようかなと思う人も、いろんな思いで場所に来ていると思うので、前に一歩出るという勇気を自分が示したい

スポーツジムでは、ステージでドレスを美しく着こなすためヨガも行い、トレーニングにも力が入る。
山下ちとせさん:
見た目もだし、内面も、あとスピーチもあるので、しっかりと練習して本番目指したいと思います
グランプリ受賞に思わず涙…
本番当日、控室ではレッスンを終了し、ひときわ美しくなったミセスたちが、審査への準備にいそしんでいた。

山下ちとせさん:
今はとっても楽しみになってます。(緊張は)今のところ大丈夫です
なかしまちはるさん:
きのう結構緊張していたんですけど、きょうは本当に楽しみでいっぱいです

そしていよいよ審査が始まり、ステージへ。20~42歳までのブリリアント部門にエントリーしたなかしまさんは、ベージュのきらびやかなドレスをまとい、声援が送られる中、ポーズを決め、スピーチに臨んだ。

なかしまちはるさん:
性教育で命の大切さを知った子は自分の命はもちろん、周りの人の命を大切にすることができます。だから私はこれからも明るく楽しく性教育を伝えていく。子供たちの輝く笑顔、未来のために
高いヒールを履いてのウォーキングもバッチリ決まった。

そして審査は進み、山下さんがエントリーするプレシャス部門へ。山下さんは、墨をイメージした黒のエレガントなドレスを着こなして登場し、観客を魅了。スピーチでは「殻を打ち破り自信をつけて、愛媛からかっこいいアーティストとして羽ばたきます」と語った。

12人がそれぞれのステージを終え、いよいよ結果発表の時を迎えた。愛媛のミセスの頂点に輝いたのは…。

会場のアナウンス:
ブリリアント部門グランプリは…エントリーナンバー2番、なかしまちはるさん!
グランプリ受賞に、思わず涙がこぼれたなかしまさん。頭上に輝くティアラを載せ、喜びを語った。

なかしまちはるさん:
感極まって、本当にうれしかったですし。内面美というところではみんながどんどん変わっていく姿を見て、私も刺激をもらえて、共に切磋琢磨(せっさたくま)できて、本当に素晴らしい4カ月を過ごせました
そしてなんと、山下さんもプレシャス部門のグランプリを受賞した。

山下ちとせさん:
一番最後だったので呼ばれないかもしれないと思っていた。呼ばれた時は、今まで頑張ったことが無駄じゃなかったなと思って、本当にうれしい気持ちでした
受賞者は11月の日本大会に出場。唯一無二の人生のストーリーを紡ぐ愛媛のミセスたちは、これからも輝き続ける。
(テレビ愛媛)