福井県の駅ホームに、見た人を“冒険”にいざなう案内板がある。国民的人気ゲーム「ドラゴンクエスト」をほうふつとさせる、あの懐かしいデザインが地域活性化に一役買っている。
「あなたがレベルUPする街!」
福井・永平寺町にある「えちぜん鉄道・松岡駅」。

このホームに降り立つと、懐かしのゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」のゲーム画面を思い起こさせる案内看板がひときわ目を引く。

30代以上の人にとっては懐かしい、粗い目のドット絵。近づくとそこには「ドラクエ」の世界が広がっている。
「ドラクエ」とは1986年に第一作が発売され、シリーズ累計8,000万本以上を売り上げている人気ゲーム「ドラゴンクエスト」の略称だ。このドラクエ風の看板は2017年、永平寺町と福井大学の学生らが共同で作成した。

看板には大きな文字で「あなたがレベルUPする街!」とあり、建物、橋、川、森など全てがドラクエの世界観をモチーフにデザインされている。
国の史跡「手繰ヶ城山古墳」へ
案内板の中に、国の史跡「手繰ヶ城山(てぐりがじょうやま)古墳」があった。

紹介文には「へんじがない 古代人は無口なようだ…」と、ここにもドラクエの世界観が表現されている。早速、古代の世界へと“冒険”に出た。

車で東に10分、さらに山道を歩くこと5分。標高160メートルの場所に、その古墳はある。全長は約130メートルで、北陸最大級の前方後円墳の1つ。4世紀から5世紀につくられたとされ、近くを流れる九頭竜川一円を治めていた有力豪族の墓とされる。

頂上に登ると、福井の平野を一望することができる。この古墳に眠る豪族も、地域を平定した際には“勇者”のような気持ちでこの山から「越国(こしのくに・古代の福井の呼称)」を眺めていたのかもしれない。
(福井テレビ)