6月15日、山形市の市場に大玉サクランボ「やまがた紅王」が入荷し、初めての競りが行われた。期待の新品種にはどんな値が付いたのか。

「やまがた紅王」3Lは1粒約400円

午前6時半、山形市の公設卸売市場に2023年に本格デビューするサクランボ「やまがた紅王」が到着した。

市場関係者:
これ紅王? この大きいのいいね、3L

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専用のパックに詰められた大玉サクランボ・やまがた紅王。

市場関係者:
きれい。500円玉より大きい。結構厳しい、規格が

記者:
ずらりとサクランボが並ぶ中、やまがた紅王の量はまだ多くないが、15日初めて競りにかけられる

公設卸売市場では「加温」でない紅王の入荷は今シーズン初めて。2Lから3Lまでの約150パックが集まった。

ヤマイチ青果・加藤翔さん:
思ったよりも玉張りも良くて、色づきもなかなか。農家さんが1年かけて苦労したかいがあると思う。誰にも負けないよう、ある意味戦いなんで、頑張ります

やまがた紅王、本格デビューの第一戦。仲買人の臨戦態勢は整った。

市場関係者:
当社ではやまがた紅王初競りです。山辺産、特秀の3L。3,500円、4,000円。4,000円!

100グラムの1パックに付いた値段は、「特秀」の2Lに3,000円、3Lは4,000円。

3Lは1粒約400円と今年も高値となった。

競り落としたヤマイチ青果・加藤翔さん:
今年は霜害もあって大変な思いをしたので適正価格。いい戦いができた、生産者のために

競り落とした黒田青果・松浦和宏さん:
消費者もかなり関心を持っているようなので、私たちも販売を拡大していきたい

求めやすい価格で提供も反応はさまざま

競り落とされた貴重なやまがた紅王は、青果店やスーパーに卸された。

そのうちのひとつ、山形市のS-PAL山形店1階にある「なないち」では、3Lと2L合わせて19パックを確保し、早速店頭に並べた。

山形多田青果・多田儀彦社長:
みなさんの期待通りの良い品物。問い合わせももらい、必ずきょう陳列したいと思っていた

販売価格は「特秀」の2Lが2,980円、3Lが3,980円と、競り落とされた価格よりも安いようだが…。

山形多田青果・多田儀彦社長:
デビューなので、求めやすい価格でお客さんに届けたいと。ほぼそのままの価格で販売する

開店すると、真っ先に初物のやまがた紅王を買い求める客が。

山形多田青果・多田儀彦社長:
こちらが3,980円。これが一回り小さい。2,980円

お客さん:
じゃあこれいただいていきます

女性が手にしたのは3Lの1パック3,980円だが、迷わず購入を決めた。

購入した客:
いつかは買ってみたいと思っていた。珍しいものなので、ぜひ味見してみたい。家族で冷やしてデザートにしたい

ついに本格デビューしたやまがた紅王だが、まだまだ高値。客の反応はさまざまだった。

購入した客:
2022年のプレデビューで5,000円だった。同じくらいの大きさで。それよりは安く出た

購入しなかった客:
3,980円、これで。びっくりして。1粒いくらするんだろう。安くなったら来年(贈答用で)贈るのはこっちにしようかな

市場によると、収穫のピークとなる6月18日から23日ごろには値段は落ち着き、県内の小売店に並んでくると見込んでいる。

山形多田青果・多田儀彦社長:
注目はピカイチだと思うので、県外の方にもPRできるように力を入れて販売していきたい

大きさも、味も、そして値段でも、やまがた紅王はその大型新人ぶりを発揮している。

(さくらんぼテレビ)

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