鹿児島県内の公立高校で、数十人の生徒が詐欺事案に関わっていた疑いがあることが分かった。警察が経緯などを捜査している。

電子決済アプリで不正送金か

学校によると、2023年度に入って警察から「生徒が詐欺事件に関わっている可能性があり、話を聞きたい」と連絡があったという。

この記事の画像(10枚)

詐欺事案に関わっていたのは主に高校3年生の数十人で、学校の聞き取りによると、電子決済アプリを使い第三者に不正に送金させていた疑いがあるという。詳細な手口や被害額などは分かっていない。

今のところ、学校として関わった生徒の処分は検討していないが、既に転校した生徒もいるということだ。

校長は、鹿児島テレビの取材に「大きな問題行動で指導が行き届かなかったことを重く受け止めている」とコメントしている。

詳細は「捜査中」として語られず

6月16日夜、学校は臨時の保護者説明会を開き、現状を説明した。しかし、事案の詳細な説明はなく、保護者と学校側のやりとりは、終始かみ合わない状況が続いた。

鹿児島テレビはこの説明会の音声データを入手。冒頭、校長が今回の事案の概要について説明していた。

校長:
詐欺行為に関わった人数、期間、金額については調査中であり、生徒の特定につながることから、話はできない

「捜査中」として事案の詳細は語られなかった一方、事案の発生を受けたことによる生徒の心のケアについては、カウンセラーを配置し、対応していくとの説明がなされた。

質疑応答では、詳細を聞きたい保護者と、答えられることが限られる学校側の間でかみ合わないやりとりが続いた。

保護者:
全校集会で生徒に説明したと話を聞いたが、どういった説明をしたのか詳細を聞きたい

校長:
生徒には事件内容について、詳しい説明をしたわけではない。学校の置かれた状況で困っている生徒、不安を抱えている生徒について「どういう対応をしていますよ」と、話をした

保護者:
この事案はどこに問題があると思いますか

校長:
1カ所に限定できない。色んな関係が重なり合って、誰が悪い、どこが悪いという話はできない

生徒のケアは…保護者から不満の声も

約1時間で終了した説明会。参加した保護者からは、不満の声や学校への要望などが聞かれた。

参加した保護者:
説明会を聞いていて、最終的にモヤモヤして帰るという保護者がいました。学校側は「お答えできません」ばかりだった

参加した保護者:
これが落ち着くまでは子供にどういう影響を及ぼすか、不安がすごくあるので、学校がどれだけ守ってくれるのか、残った生徒たちに対しての今後のカウンセリングや対応について、しっかりしてほしい

保護者によると、学校側からは「今後、新たに保護者説明会を行う予定はない」との説明もあったという。
警察の捜査の行方が注目される。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
鹿児島テレビ

鹿児島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。