福井のサービスエリアに、なぜか広島名物が置いてある!? 福井はもちろん、隣接する石川や滋賀の特産品は販売しているが、広島は500kmも離れている。普段あまり接点のない広島名物が本当に置いてあるのか?
福井テレビ取材班は早速、現地を訪れ、真偽を確かめた。
思わず買ってしまった“名物”
福井のサービスエリアに広島名物があるという情報をつかんだのは、1つのSNS投稿からだった。

SNSの投稿
まさか福井県の南条サービスエリアで、〇〇(広島名物)が!思わず買ってもーた!笑
投稿者も思わず購入するほどのインパクト。早速、現地へ向かった。
福井テレビ・吉田圭吾アナウンサー:
まもなく南条サービスエリアです。あの広島名物、本当にあるんですかね…?

福井市から京都方面に車を走らせること約25分。到着したのは、北陸自動車道で最大の売り上げを誇る、南越前町の南条サービスエリア(上り)だ。

福井テレビ・吉田圭吾アナウンサー:
基本的に福井や北陸のお土産はあるのですが…。あっ!ありました!「もみじ饅頭」ありました!

レジ近くの特設コーナーに並ぶのは、まさしく、あの広島名物のもみじ饅頭だ! SNSの情報は本当だった。撮影中も次々と買い物客が手を伸ばしていた。

兵庫の買い物客:
待っている間に、なんであるのかなと思って、買っちゃいました

奈良の買い物客:
びっくりしました!ここで買えるとは思ってなかったので
製造元との思いが一致し販売へ
販売しているのは、広島市に本社を置く「にしき堂」のもみじ饅頭だった。70年の歴史を持ち、国内シェアはトップだ。

5月のG7広島サミットでは、広島を代表する味覚として、アメリカ・バイデン大統領ら各国首脳に振る舞われた。ただ、なぜ500kmも離れた広島の名物が福井にあるのだろうか…?

南条サービスエリア(上り)・南部和毅さん:
取り扱いは、2022年秋から。コロナ禍で短時間旅行のお客様が増える中で、遠出をしたという気持ちを持ってもらうために、全国のお土産品を扱っていこうというのが始まりだった

背景には、新型コロナウイルスによる社会活動の制限があった。2020年からの約3年間、国内では外出自粛を余儀なくされ、このサービスエリアに立ち寄る人も激減し、ピーク時は売り上げが半減した。

ただ、旅行の需要はあると見込んで目を付けたのが、全国のお土産の販売だった。製造元に連絡すると、全国的にも商品が余っている状態だった。お互いの思いが一致し、2年前から北は北海道から南は沖縄までの特産・銘菓を販売したところ、そのもくろみは当たり、すぐに評判になった。
売り場歴20年の女性は、特にもみじ饅頭の人気が高かったと振り返る。

南条サービスエリア(上り)・北乃弘美さん:
ばら売りにしておいておくと、手に取りやすい。価格もお財布に優しい。なかなか広島には行けないという人がこれを買うなど、人気があった
新商品の販売予定も…福井と広島の懸け橋に
北陸自動車道でもみじ饅頭を販売しているのは、南条サービスエリア(上り)だけだ。今後も季節限定品など続々と新商品を並べ、福井と広島の懸け橋になりたいと意気込んでいる。

南条サービスエリア(上り)・北乃弘美さん:
6月1日から新商品の販売を始めた。秋になると「生もみじ」という商品を販売する予定。(広島に行った気分に?)なっていただきたいです

打開策として始めた、もみじ饅頭の販売。想定以上の人気を博し、この9カ月間で“名物”の1つにまで成長した。
(福井テレビ)