山形・河北町で栽培したブドウを使い、すべて手作業で作ったワインが完成した。2024年度の本格販売に先がけ、先日、試飲会が開かれ、参加者は出来たての一杯を味わっていた。

ワインの味を決める9割はブドウの味

完成した「Kahoku Wines2023」。河北町産のブドウ100%で、収穫から醸造・ラベル貼りまですべて手作業で作られた。

河北町産ブドウ100%の「デラウエア」(左)と「マスカットベーリーA」(右)
河北町産ブドウ100%の「デラウエア」(左)と「マスカットベーリーA」(右)
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皮や種も使い、ほんのりオレンジ色ですっきりとした味わいの「デラウエア」と、甘い香りが特徴で酸味のバランスがいい「マスカットベーリーA」の2つがある。このワインは、町内の地域商社「かほくらし社」が醸造を進めてきたもので、2024年度の本格販売を前に、6月10日に試飲会が開かれた。

参加者:
フレッシュな感じで新鮮な味がしておいしい。少し酸味もあって、新しい初めて飲む味

参加者:
飲みやすくて、ブドウの果汁がはっきり分かるようなワイン

ワインに使うデラウエアの栽培は、今のところ果樹農家の宇野実さんが一手に引き受けている。

参加者:
若干、苦みがある

ワイン用デラウエア生産者・宇野実さん:
軸や種の味が出ていると思う。ことしはこういう味、去年はこういう味。毎年同じ味を出すのは無理だと思うので…。年ごとのそういった違い、去年はこういう年だった、ことしはこういう年だったというのを楽しんでほしい

新たな特産品を作ろうと、町でワインプロジェクトが立ち上がったのは2020年。宇野さんはそれまで生食用を栽培していたが、ワイン用へ切り替えることを決めた。

ワイン用デラウエア生産者・宇野実さん:
ワインの味を決める9割が「ブドウの味」というところにやりがいを感じて、取り組んでみたいと思った

2023年の生産は約500本とわずかだが、かほくらし社では2024年に3倍の1,500本を用意する計画だ。

参加者:
おいしいです

ワイン用デラウエア生産者・宇野実さん
ワイン用デラウエア生産者・宇野実さん

ワイン用デラウエア生産者・宇野実さん:
よかったです、本当ですか。励みになります

生産者・ブドウの確保が課題

課題は、原料のブドウの確保。「デラウエア」だけでなく、「マスカットベーリーA」も生産者は現在1人だけ。町内のブドウ農家に「ワイン用」への切り替えを促したり、新規就農者を増やしたりして生産量を拡大し、将来はワイナリーを作りたい考え。

ワイン用デラウエア生産者・宇野実さん:
たくさんの人に飲んでもらって、興味を持ってもらって、河北町にも興味を持ってもらうことが目標

「Kahoku Wines2023」は1本2,750円。河北町のかほくらし社、東京・三軒茶屋のアンテナショップ、オンラインストアで数量限定で販売している。

(さくらんぼテレビ)

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