石川県加賀市にある片山津温泉地区。この地域には2021年まで、3つの市立保育園があったが、少子化などから統廃合が行われ、1つの新しい保育園が開園した。そんな閉園した保育園がそのまま放置されているという。いったいどういう事なのか?取材した。

閉園した保育園を活用してほしい…地元の切実な声に行政は?

上谷舞沙子さん:
潮津保育園という保育園が、2年前に閉園になったんですが、園庭に遊具とか使えそうなんで、是非、子供たちがここで遊べるようにして欲しいんです。

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石川県加賀市に住む、上谷さん。上谷さんの自宅裏にある、旧潮津(うしおず)保育園だ。

園庭には遊具もあり子供たちが遊ぶのにはもってこいの場所。しかし2年前に閉園してからは関係者以外市民が立ち入ることは許されていない。

さらに…

上谷さん:
かわいいソファとかピアノとか…現在もそのままで、もったいない。

園で使われていた備品も閉園してから2年間そのままだというのだ。

この地域では少子化の影響で、2021年、潮津保育園を含む3つの園が閉園し、統合した新しい保育園が別の場所にオープンした。閉園した3つの保育園の内、1つは放課後児童クラブとして地域の子供たちが利用している。

しかし、残りの2つの園は2年経った今も活用されていない。上谷さんは園庭や建物を使えないことに疑問を抱いている。

上谷さん:
もうちょっと有効活用してほしい。いつまでこのままの状態であり続けるのか。
上谷弥寿子さん:
なにも使えないのが本当に寂しい。

保育園の土地と建物を管理する加賀市に現在の管理状況を聞いてみた。

秋末アナ:
閉園した保育園の現状を教えて下さい。
加賀市子育て支援課 山村嘉康課長:
いわゆる倉庫のようなものとして、市の備品を集約している。

秋末アナ:
今も使っているという認識ですか?
山村課長:
管理をしながら利用しています。
秋末アナ:
中にどんなものが保管されているのか見せてもらうことは可能ですか?
山村課長:
ちょっと確認させてほしい。どんな状況かは見に行ってみないとわからないので…。

と言うわけで、閉園した潮津保育園の中を見せてもらう事に…

山村課長:
こちらになります。
秋末アナ:
2年前の閉園ということでまだ保育園の状態が残っています。最後の卒園式のものがそのまま。ソファ、おもちゃなど。

秋末アナ:
ここにあるものはなに?
山村課長:
もとはここで使っていたものだが、必要に応じて運営する保育園に持って行って使っている。

奥へ進んでいくと…

山村課長:
だんだんゴミ感が出てくる。
秋末アナ:
ゴミ感…。

こうした備品を市民が使うことはできるだろうか?

山村課長:
仕込みをして取りに来てという労力を考えてやると正直厳しいのかなと。また残るというリスクもあるそこも踏まえての判断になる。

さらに建物には壁にヒビが入っていたり、園庭にある遊具は設置から約50年が経過し老朽化が進んでいたりと利用できる状況ではないそうだ。

山村課長:
解体して更地で管理するのが理想かもしれないが、解体にも費用がかかるので優先順位が悩ましいところです。

今の状態では園を再利用することはできないということだった。せめて園庭だけでも使わせてもらえないのだろうか?上谷さんによると、近くの公園に行くには片側2車線、または1車線の道路を横断しなければならないため、園庭だけでも使えればという事だ。

これに対し、加賀市は、遊具の老朽化が進んでいて事故が起きる恐れもあるので開放は難しいとのことだ。

こういうケースは多いのだろうか?加賀市では少子化などで保育園が15年前と比べて4割以上減ったという。小学校などの統廃合も進んでいてこういった施設をどう管理していくのか考えていく必要がありそうだ。

(石川テレビ)

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