G7サミット首脳らへのお土産は広島の漆塗りの万年筆や蒔絵(まきえ)グラスだったが、パートナーへのお土産は、平和へのメッセージが込められた品々が贈られていた。

平和へのメッセージを込めたデザイン書道「壽ぎの書」

5月11日、G7広島サミットを前にある御祈祷が行われていた。
並んでいるのは、首脳夫人たちに贈られる品々。

首脳パートナーへの贈答品
首脳パートナーへの贈答品
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首脳と共に広島を訪れた首脳のパートナーたちは、岸田首相夫人・裕子さんを中心に様々な形で市民とも交流し、日本や広島の伝統を知ってもらうプログラムに参加。お土産の品には広島の平和へのメッセージが込められていた。

パートナーズプログラムの機会に贈られたのは、絵と書を掛け合わせたデザイン書道。伝統とモダンが融合したアートだ。

5月はじめ、実際のプレゼントを製作する現場を取材した。

金箔を使った作品「月の御船(みふね)」

原爆投下後の広島で復興を目指し作られ、70年以上保管されていた金箔を使い、平和への思いを込める。

「壽(ことほ)ぎの書」製作者 濱崎寿賀子さん:
世界中が平和にならないかなという一市民の願いがこんなに早く、ファーストレディーの皆さんにお届けすることで叶うなんて、夢のようなお話。少しでもこういった平和に対する祈りの気持ちを受け取ってくださったら、私はそれが一番ありがたい

平和のメッセージをこめた漆塗り

裕子夫人から首脳のパートナーへの贈り物のひとつが漆塗りの器。

製作したのは、仏壇の製造・販売をする「高山清」。100年以上の歴史がある。
4代目が京都での修行後、5年前から製作を始め、2022年に「広島漆芸」に認定された。

高山清4代目・高山尚也さん:
すごくうれしい思いで一生懸命作ったんですけど、まさか、そういう機会が来て、自分が製作できるというのはすごい光栄に思います

この工房の漆器は、広島市から各国首脳への贈答品にも選ばれた。
平和の象徴「鳩」と瀬戸内の海を表現した酒器。

高山清4代目・高山尚也さん:
日本の漆塗りという伝統工芸をより知ってもらえたら、なおかつ、漆塗りというきれいな器をもっと世界の人に知ってもらいたい。伝統工芸をもっと身近に触れてもらえたらと思う

首脳やそのパートナーに贈られた品々には、その道のプロたちの様々な思いが込められている。
G7サミットは海を越えた各国で、日本や広島の伝統を知ってもらう役割も、担ったようだ。

(テレビ新広島)

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