G7科学技術相会合が12日、仙台市で開幕した。G7(=主要7カ国)各国の科学技術などを担当する閣僚らが参加し、13日に共同声明を出す。
議長を務める高市科学技術相は、会合の冒頭、「地球規模の課題解決における科学技術の役割と国際協力が、ますます重要になっている」と指摘した上で、「日本はG7各国や他のパートナーと共同で、様々な国際的取り組みをリードしたい」と述べた。
会合では、各国の科学技術の研究データや学術論文について、自由に共有する「即時オープンアクセス」の方針を打ち出す方向だ。
また、13日に発表される共同声明では、宇宙空間の利用についての国際協力が盛り込まれる見通し。
中国やロシアが他国の衛星破壊などの技術を開発する中、こうした動きをけん制する狙いがあるものとみられる。
さらに、地球温暖化が進む中、データがとりづらい「北極と南極における海洋観測の強化」についても盛り込み、収集したデータを元にしたシミュレーションの構築などを目指す方向で調整が進む。
各国の代表は、14日には東日本大震災の被災地を訪問する他、世界最高水準の分析性能を誇る仙台市の巨大顕微鏡「次世代放射光施設ナノテラス」を視察する予定だ。