第64次南極観測隊にフジテレビ取材チームが同行。テレビとしては初めて南極沖の水中の撮影に成功し、学術的にも貴重な映像が捉えられた。しかし、美しい世界が広がる一方で、温暖化の影響なのだろうか、南極ではある変化が起きていた。
南極沖の水中には多彩な生物が…
南極。そこは、日本の約37倍もある広大な大陸だ。
この記事の画像(19枚)寒さのため、陸に住む生き物のは少なく、青い空と海が広がっている。
そして、白い氷と雪の世界。陸上は青白の二色ばかりだが、一方、海の中は、どうなっているのか。
今回テレビとして初めて、昭和基地沖の海を水中ドローンで撮影した。
水深約35m。カメラに映し出されたのは……陸上とは全く違う“色鮮やかな”世界だった。
水中映像にはいったい何が映っているのかーー。
南極観測隊にも参加し、南極の海に詳しい東京家政学院大学・岩見哲夫教授に見てもらった。
東京家政学院大学・岩見哲夫教授:
水の中で冷たいと思うかもしれませんが、南極だとむしろ海の中のほうが暖かいと言うと変ですが、いろんな生き物がたくさん予想以上に反映していますので、それはそれぞれいろんな色を持っているので、見ると鮮やかな感じで見えるのかなと思います。非常に生物量が多いですよね。生物の数がね。
南極の海には多彩な生物が生息していたのだ。
そんな中、カメラがとらえた不思議な生き物。一見イソギンチャクのように見えるが、逆再生するとまるでエイリアンのような姿に。
東京家政学院大学・岩見哲夫教授:
これは「ウミシダ」ですね。ヒトデとかウニの大きくくくれば同じ仲間ですね。この種類は南極海(固有)のものだと思います。
また、岩見教授も動いている姿は初めて見るという「メガネカモグチウオ」。
さらに水温がマイナス2℃になっても凍らない「ショウワギス」など珍しい生き物が数多く確認できた。
東京家政学院大学・岩見哲夫教授:
これだけ昭和基地の近くで、ある一定の範囲をずっと見たのは初めてですね。すごく感激しましたね。
今後、これらの映像は大学講義などにも使われていく予定だという。
温暖化の影響か 南極に“変化”
また、南極では、氷が勢いよく解けることによって、ある場所に“滝”が出現していた。
フジテレビ南極取材班・大塚調査員:
私の後ろに氷の壁がそびえ立っています。この氷の壁は、南極大陸を覆っている氷の端っこにあたるんです。
大塚調査員がいるのは、昭和基地から南に約100㎞の場所。そこには、高さ数十mに及ぶ崖が長さ数㎞にわたって続いている。
そして、その下には、滝が…。
さらに、その先には南極の氷が解けた“雪解け水”により大きな池ができていたが、観測隊によると、いつもより雪が少ないという。
昭和基地の食堂からの眺めにも変化が起きていた。
フジテレビ南極取材班・大塚調査員:
奥の方に見えるのがオングル海峡なんですが、普段は氷で覆われているはずが、今年に限って海が見えるような状態になっているんです。これは温暖化が影響しているかどうかわかりませんけれども、とても珍しい光景が今見えているというような状況です。
カメラが捉えた異変は、いった何を意味しているのか。南極観測隊の調査に注目が集まっている。
なお、フジテレビでは、5月13日(土)午後4時5分から、取材日数132日に及んだ最新貴重映像の数々や南極から見える温暖化の影響などについて詳しく伝える。
「地球最後の秘境 南極大陸」
5月13日(土)午後4時5分~
ナレーター:竹野内豊さん