第64次南極地域観測隊にフジテレビ取材団が同行すること約4カ月。撮影時間は400時間を超えた。その貴重な映像の撮影秘話を聞くべく、大量に積まれた機材の片付けに追われている帰国間もない芹澤カメラマンの元を訪ねた。

前編では、水中や白夜撮影の裏側について話を聞いたが、後編では、圧巻の映像を残したドローン撮影の方法や工夫などについて語ってもらった。

ドローン撮影 南極の雄大さに没頭してもらうための工夫とは

5月に放送された「地球最後の秘境 南極大陸」は、ドローン映像からスタート。その冒頭シーン“海から氷床に向かっていく映像”が数あるドローン映像の中で一番印象に残っているという。

南極の氷床
南極の氷床
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芹澤カメラマン:
海が荒れていなかったので観測船しらせが氷床に近づけて、天候が変わりやすい南極にしては珍しくその時間、晴れ続けて撮れたんです。たまたまが、重なった奇跡に近い映像だった。番組の冒頭で使われていてすごく嬉しかったです(笑)
 

その他にも要所で余すところなく使われたドローン映像。

雄大な自然に没頭してもらうためにも操縦しているカメラマンが映らないように工夫することも大切だという。

隊員になりきる芹澤カメラマン
隊員になりきる芹澤カメラマン

芹澤カメラマン:
“広がる雪原を歩いているのは観測隊員だけ”と表現したくて、私は観測隊員の一員になってこっそり操縦したり、小高い丘を探して見渡せる場所から撮影したり。とにかくカメラマンが映らないようにそれに目が奪われないように、ただ南極の雄大さに引き込まれて欲しかったんです。

そんな芹澤カメラマン、南極で手放せなかったのが意外にも「サングラス」だったという。

南極でサングラスは必需品
南極でサングラスは必需品

「雪原の白と遮るものがない太陽の日差しは、スキー場とは比べものにならないほどまぶしく裸眼だと目がやられてしまうんです。なので常にサングラスをかけていました。でもサングラス越しだとカメラのモニターが見にくいので、半分だけかけるような形にして上からのぞくようにカメラを操作していました」

最後に、南極は取材を振り返ったもらった。

「132日間1日も飽きたと思う日はなかったです。時間があれば撮影していました。今回は4カ月でしたが、機会があれば越冬したい」

絶対に撮りたい!という思いが工夫を生み、貴重な映像の数々につながった。

【南極撮影の裏側“後編”】ドローンで撮った!圧巻の映像を徹底解説!極地ならではの取材の苦労話もたっぷり!

撮影中継取材部
撮影中継取材部