東京・江戸川区で2023年2月、63歳の男性が殺害された事件で、10日、現職の中学校教師が逮捕された。学校側が緊急会見を開いた。

この記事の画像(11枚)

顔や首などを刃物で複数回切りつけ

殺人の疑いで逮捕されたのは、尾本幸祐容疑者(36)。東京・江戸川区立松江第五中学校で中学3年生を受け持つ教師だ。

尾本容疑者は2023年2月、江戸川区一之江の住宅で、この家に住む山岸正文さん(63)の顔や首などを刃物で複数回切りつけるなどして殺害した疑いが持たれている。

事件の知らせは、たまたま現場を通りかかった人からの「玄関前で血だらけで倒れている」という110番通報だった。

死亡した山岸さんの死因は司法解剖の結果、血液が喉に詰まったことによる窒息死だった。

「明朗快活」「勤務状況も良好」学校側が会見

中学校教師の尾本容疑者と山岸さんの間に一体、何があったのか。

尾本容疑者が勤める中学校と死亡した山岸さんの自宅は、直線距離でおよそ170m。歩いて5分ほどで行ける場所だ。

学校側は、10日午後4時半過ぎから会見を開いた。

江戸川区教育委員会・蓮沼千秋教育長:
もしこれが事実なら、まずもって亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、心より深く深くお詫び申し上げたいと思います。
学校現場で子どもたちに命の尊さ、命の尊厳、人への思いやりを指導する立場の教員がこのようなことをしてしまったということでは、まだまだ信じられない部分もございますが、しっかりと受け止め、もし事実だとしたら人間教育をしっかりやり直して、子どもたちのケアもしていきたいとそのように考えている。

尾本容疑者の人柄についてはこう説明した。

江戸川区立松江第五中学校・荒巻淳校長:
普段は明朗快活、非常に誰とでも穏やかに会話ができる教員です。
日常の勤務状況も良好で、校長の経営方針を理解し、特別支援学級の主任として、その具現化を目指した進言や提案をすることができています。担任としても、個を大切に、ひとりひとりの生徒に配慮した指導をしており、中堅教員として手本となっています。

犯行当日は「半休」 盗み目的?被害者と“鉢合わせ”か

犯行当日の尾本容疑者については…

江戸川区立松江第五中学校・荒巻淳校長:
彼はその日(犯行当日)は休暇を申請しておりました。半日休暇です。

犯行当日、尾本容疑者は午前は中学校に出勤し、夕方に山岸さんの自宅に向かったとみられている。周辺の防犯カメラには尾本容疑者が山岸さんの自宅周辺を歩く姿が映っていて、尾本容疑者の関与が浮上したという。尾本容疑者と山岸さんの接点は明らかになっていない。

捜査関係者によると、尾本容疑者は盗み目的で住宅に入って、山岸さんと鉢合わせた可能性があるという。

調べに対し尾本容疑者は、「事件に関わっていません」と容疑を否認している。

(「イット!」5月10日放送より)