コンビニで出てきたのは別の人の住民票。まさかの事態に、河野デジタル相が謝罪した。

河野大臣「国民の皆さまの信頼を傷つける大変重大な事故」

マイナンバーカードを使った証明書交付サービスで、別人の住民票などが誤って発行されるトラブルが相次いでいる。

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この事態を受け、河野デジタル相は9日、会見で陳謝するとともに、システムを開発した富士通ジャパンにサービスの一時停止を要請したことを明らかにした。

河野デジタル相:
別の方の証明書が交付されるという事案は、個人情報保護に関して、国民の皆さまの信頼を傷つける大変重大な事故で、誠に申し訳なく思っております。

別人の住民票などが発行されるトラブル13件

トラブルが相次いでいるのは、マイナンバーカードを使いコンビニエンスストアで住民票などを発行するサービス。

本来の利用者とは別人の住民票などが誤って発行されるという不具合が3月から5月2日にかけて合わせて13件あり、ゴールデンウィーク中にも起きていた。

不具合があったのは東京・足立区、神奈川・横浜市、川崎市
不具合があったのは東京・足立区、神奈川・横浜市、川崎市

不具合があったのは東京・足立区のほか、神奈川の横浜市と川崎市だ。

コンビニの手続きで他人に個人情報を見られてしまう恐れのあるトラブル。トラブルがあった川崎市で街の人に話を聞くと、怒りの声が聞かれた。

川崎市民:
(怒りは)ありますよね。(マイナンバーカードを)ちゃんと安心して作りましょうって言っているのに、間違いがあってはいけないことだから。何とかしてほしいと思います。

川崎市民:
ちょっと嫌ですよね。それが悪用されたりとかしたら。住民票であればけっこう比較的何でもできてしまうと思うので。ちょっと怖いし、嫌だなって思います。

問題のシステムを利用しているのは、全国およそ200の自治体。

デジタル庁は原因の特定とトラブル解消に向け、富士通ジャパンに対し「システムを停止して再点検するように要請している」と説明。サービスの停止期間は、使用している自治体によって異なるとしている。

「デジタルへの信頼傷つく」

榎並大二郎キャスター:
便利で私も利用したことがありますが、こういことがあると心配ですよね。

キャノングローバル戦略研究所 研究主幹・宮家邦彦さん:
私も使ったことがあって便利だなと思ったけれども、デジタルの世界への信頼というものがこういう形で傷つけられるのは非常によくない。河野さんは謝るのは当然なんだけれども、トラブルはこれを最後にしないといけない。バグなのか、システムの問題なのかしっかり調べて報告してください。

宮司愛海キャスター:
以前、河野デジタル相に取材した際に、マイナンバーカードはデジタル社会のパスポートだとおっしゃっていましたが、安全性への信頼が揺るげば、様々な用途への活用が難しくなってしまうと思いました。

(「イット!」5月9日放送より)