焼酎づくりの技術やノウハウを生かしたジャパニーズウイスキーが誕生する。宮崎県内初となるそのウイスキーとは?

焼酎蔵からジャパニーズウイスキー誕生

長谷川晋太郎記者:
アルコール60%の重さというのは感じるんですけど、すごくフルーティーで独特の甘味も感じますね

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宮崎・木城町の豊かな自然に囲まれた尾鈴山蒸留所は、高鍋町にある黒木本店の別蔵として1998年に創業し、地元の素材にこだわった本格焼酎を手掛けてきた。
この尾鈴山蒸留所が2019年から新たな展開として始めたのが、ウイスキーづくりだ。

尾鈴山蒸留所・黒木信作社長:
もともと焼酎蔵として蒸留酒を作ってきて、さらに熟成させたお酒を作りたかったんですけど、ウイスキーのカテゴリーで何かできないかと思って始まりました

使用する麦と水に焼酎蔵のこだわりが

世界5大ウイスキーの一つとされるジャパニーズウイスキーは、日本洋酒酒造組合により日本国内で採取された水を使用し、3年以上日本国内で貯蔵することなどが定められている。

尾鈴山蒸留所がウイスキーづくりを始めてから4年。そこには、独自のこだわりが詰め込まれている。原料となる麦は、高鍋町の自社農園で栽培しているものを使用している。

尾鈴山蒸留所・黒木信作社長:
ずっと焼酎を作ってきた蔵なので、麦芽に関しても外国から買ってくるという発想はなかったので、地元の麦を同じ手仕事で原料に変えていくということを行っています

また、製造工程で使用される水は、全て尾鈴山を流れる川の水を使用している。そして、製造工程でも焼酎づくりで培ったノウハウがふんだんに生かされている。麦汁を発酵させる工程では、飫肥杉で作られた木桶を使用。

尾鈴山蒸留所・黒木信作社長:
木桶を使うと温度管理も外気の影響を受けにくくなりますし、普通のタンクで発酵するよりも細かな微生物の働きが活発になるので、うち由来の複雑味をお酒の香りにももたらせてくれるので大切に使い続けています

蒸留工程における酒蔵ならではの手法

蒸留工程でも焼酎づくりをしている酒蔵ならではの手法が用いられている。

尾鈴山蒸留所:黒木信作社長:
蒸留を2回行うんですけど、1回目は一般的なウイスキーでは使わない方法、直接蒸気を吹き込んで加熱して、今まで培ってきた焼酎の蒸留技術と一般的なウイスキーの蒸留技術を組み合わせて2回に分けて行っています

こうして3年以上熟成させ誕生したのが「OSUZU MALT」。
原料由来の芳醇(ほうじゅん)さとこだわりの樽で熟成したことによる独特の甘味が特徴だ。

尾鈴山蒸留所・黒木信作社長:
この豊かな宮崎の土地の風土を表現できるようなお酒でありたいと思いますし、かつ自分たちにしかできない味、風味そういったものを表現できたらいいなと常に考えています。うちの場合、量の拡大はなかなか難しいんですけど、そういった魅力とか価値は世界中に届けていきたいなと…頑張っていきます

地元産にこだわり焼酎づくりで培った独自の技術で作り上げたウイスキー。ジャパニーズウイスキー界に新たな旋風を巻き起こす。

(テレビ宮崎)

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