和歌山市の漁港で、岸田首相が爆発物を投げつけられた事件。逮捕された男のものとみられるツイッターのアカウントに、首相を批判する書き込みがあったことが分かった。

木村容疑者のもの?ツイッターに“政治への不満” “岸田首相批判”

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木村容疑者のものとみられるツイッターの書き込み:
投票だけは行っている、民主主義風の専制政治国家が日本です

日本の選挙制度を批判する、ツイッターの投稿。これは15日、和歌山市の漁港で岸田首相の演説直前に爆発物を投げつけ、現行犯逮捕された木村隆二容疑者(24)のアカウントとみられている。

木村容疑者は去年、年齢などを理由に選挙に立候補できないのは不当だとして国を訴えていて、このアカウントでは、裁判の過程などについて発信されていた。

さらに、批判の矛先は岸田首相にも。

木村容疑者のものとみられるツイッターの書き込み:
岸田首相も世襲3世ですが、民意を無視する人が政治家には通常なれません

政治への強い不満があったようにみられる。

爆発した“筒” 200人の聴衆のそばを40メートル飛んだか

また、事件から4日がたち、木村容疑者が投げ込んだ爆発物についても、少しずつ分かってきた。爆発した筒は、40メートルほど離れた倉庫のそばで、見つかった。

当時、現場と倉庫の間には、約200人の人がいて、そのすぐそばを爆発物が通り抜ける、危険な状況だったとみられる。

さらに、爆発現場から60メートルほど離れたコンテナに、穴があいているのが見つかった。関係者によると、コンテナに何かがめりこんでいて、警察は「爆発物の破片である、フタだとみられる」と説明したということで、破片が広い範囲で飛び散ったとみられる。

また、木村容疑者が背負っていたリュックサックからは、粉末が入った小瓶や、ライターなどが見つかった。犯行時に手に持っていたライターとは別に、もう1つライターを準備していたとみられる。

木村容疑者の自宅からは火薬の可能性があるとされる粉末が見つかっていて、リュックサックから見つかった粉末についても今後鑑定が行われる。

岸田首相 衆参両院の補欠選挙に向けた街頭演説に影響

事件を受けて、岸田首相の街頭演説にも影響が出ている。岸田首相は、衆参両院の補欠選挙に向けて、再び街頭演説を行う方針だが、自民党関係者によると、首相と聴衆の間に一定の距離を確保するため、演説を街宣車の上から行う方針が、各県連に対し伝えられたということだ。

警備強化を巡っては、政府与党に「演説を屋内に限るべきだ」との声もあがる一方、自民党内には「有権者と触れ合えなくなる」など否定的な意見も根強くある。

現職の首相が狙われた衝撃的な事件。木村容疑者は黙秘を続けていて、警察は慎重に捜査を続けている。

(関西テレビ「newsランナー」2023年4月19日放送)

関西テレビ
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