選挙の応援演説に訪れた岸田首相に爆発物が投げ込まれた事件。実際に容疑者が通ったとみられるルートをたどり、犯行の計画性について検証した。
木村容疑者はどんなルートで会場へ？
坂元龍斗フィールドキャスター：
事件の日、15日午前11時半ごろ、漁港で爆発がありました
午前11時15分ごろ、爆発の15分ほど前、「雑賀崎」のバス停に、木村容疑者が到着したことが、バス会社の話から分かっている。
バス到着から2分後、午前11時17分、事件があった漁港の屋根がこちらから見えているが、その手前の防犯カメラに、木村容疑者の姿が映っていた。2分で、バス停から、防犯カメラの位置まで移動していったことになる。
車道を進んで行くと2分では到着できない。2分で到着するためには、車道の横にある細い階段を進んで行かなければならない。地元の方に聞いたところ、バス停を降りた後、この階段をすぐに見つけられる人はあまりおらず、皆さん迷っているということ。
最新の地図アプリを使うとこのルートは表示されるのだが、バスに乗っている段階、あるいはもっと前の段階から、このルートを使うことを想像していなければ、すぐにこの道を歩き出すことは難しいだろうと思われる。大変細い道で、分かれ道も複数あった。
岸田首相が漁港で演説を行うと発表があったのが、事件前日14日。どこまで計画性があったのかは分からないが、いろんなことを頭の中で描きながらこの場に来ていると思われる。実際に時間を測ると、バス停から、防犯カメラの位置まで、2分26秒かかった。すんなり移動するためには、ある程度“道”を分かっていたと考えられる。
防犯カメラの映像を見ると、この時点で容疑者は地図アプリなども見ていない。防犯カメラでは人がぞろぞろと歩いている様子はないので推測だが、他の人を見て道を知ったわけではなく、1人で歩いていたと言えるかと思われる。
お店に設置された3台の防犯カメラに容疑者が映っていた。
ここまで来ると漁港が見えて、事件当時200人ほどの聴衆が集まっていたし、岸田首相の車列も通っているので、ここから事件現場まではすんなり到着できたと思われる。
爆発物とみられるものを自分で作っていたとみられているので、計画性はあったと言えるだろう。そして現場に来てみると、すんなり到着するために、何か計画していたということも言えるのではないかと感じた。（関西テレビ・フィールドキャスター：坂元龍斗）
（関西テレビ「newsランナー」2023年4月18日放送）
