G7広島サミットまで、あと1カ月あまり。首脳らへのおもてなしはどのようになるのか。前回2016年開催地の伊勢志摩の例から検証した。

メニューが決まったのは、およそ3週間前

加藤雅也アナウンサー:
三重県志摩市の本州から賢島方面を眺められる展望台です。この高い位置からみると面白い地形をしている。

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加藤アナウンサー:
海に囲まれていて、橋でつながっているという点は、広島のメイン会場、元宇品(もとうじな)との類似点がありますね

今から7年前の2016年、G7各国の首脳が集まった三重県志摩市の英虞湾(あごわん)に浮かぶ賢島(かしこじま)。

賢島
賢島

当時、世界のリーダーが会議や食事、宿泊で滞在したのが「志摩観光ホテル」。

首脳が泊まった客室には、”マーク”がつけられ、館内にはサミットで使用された品々などが展示されたギャラリーも設けられている。

そして、当時”食”の面で重要な役割を果たした総料理長は…。

志摩観光ホテル 樋口宏江総料理長:
メニューが最終的に決まったのは5月に入ってからでしたので、それまでに試作とか、試食を繰り返しながらお料理が決まっていきました

ワーキングディナーには食べやすいものをアレンジ

サミット直前まで吟味を重ね、世界のリーダーたちの舌を満足させた総料理長の樋口宏江さん。

樋口宏江さん
樋口宏江さん

会議をしながら食事をする“ワーキングディナー”の料理では、こんな要望もあったという。

樋口総料理長:
飲み込みにくいとか、かみきりにくいものは控えてということだったので、食材を選ぶ上でそういうものを選ばないようにしながら、献立を立てました

”献立の情報”が漏れぬよう、限られたスタッフだけでメニューづくりと調理が進められたという。

 

Q:県や国からこういうものを使ってほしいという要望は?
樋口総料理長:
ご要望はありますし、食材のリストもありました。その中から全部ではなくて、使える範囲のものを使ってくださいということでした

Q:ホテルに任せられる?
樋口総料理長:
そうですね。当時は東日本大震災もございましたので、その直後で風評被害を受けている食材もたくさんありましたので、そちらも使ってほしいというご要望がありました

樋口さんが担当した1日目のワーキングディナーのメニューは、伊勢エビやあわび、松阪牛といった地元産の食材が中心となった。

依頼が地元の酒蔵に来たのは2週間前

伊勢志摩の豊かな食材を使った”珠玉のフレンチ”。
その乾杯酒として盃に注がれたのが、三重県伊賀市の純米大吟醸「半蔵」。

大田酒造・大田智洋専務:
県の担当部署から「出してくださいね」という話が来たのは、サミットの2週間くらい前

Q:結構直近?
大田専務:
直近ですよね、納品というか、おさめてくださいという準備も内々にしてくださいということだったので、内々にお酒は用意したが、そこから本当に使われるのかというのがあったので…

どこで使われるかは、生産者でも事前に知ることができなかったと振り返る。

大田専務:
サミット当日の夜の9時前頃に新聞社からの電話で「半蔵がディナーの乾杯酒に使われました」と知ることになった。

大田専務:
本当やったんや!と大変驚きましたし。大変ありがたいことだったなと思う

広島も地元が誇る食材はいろいろあるが、果たしてどのようなメニューになるのか。

サミット開催で国内外からの観光客の増加が期待されており、飲食での宣伝効果も大きく、様々なブームアップが展開されている。

(テレビ新広島)

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