ファミレスで深夜営業再開の動きが出始めている。
コロナ禍の2020年7月1日からグループ全店で“深夜営業”を原則廃止していた、すかいらーくホールディングスが深夜営業を再開した。3月13日から深夜営業を再開し、営業時間(閉店時間)を順次、延長しているのは「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」だ。

4月10日時点で、「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」の数店舗が既に深夜営業をしている。例えば、東京都の「ガスト下北沢駅前店」は3月20日から、開店時間が午前6時、閉店時間は午前5時となっている。
今後深夜営業をする店舗は増え、3月23日の発表によると、5月15日には「ガスト」は約100店舗、「バーミヤン」と「ジョナサン」はそれぞれ10店舗前後となる予定だ。
すかいらーくホールディングスが原則廃止にしていた深夜営業を再開した理由は何なのか? また、深夜営業を再開した後、深夜時間帯の客数は増えているのか?
すかいらーくホールディングスの担当者に“再開の理由”と“利用状況”を聞いた。
「深夜に外で食事をしたいという需要が高まっています」
――“深夜営業”というのは、何時以降の営業を指す?
すかいらーくホールディングスでは、24時までに差し掛かる営業を“深夜営業”と呼んでおります。
――深夜営業を原則廃止にした理由は?
コロナ禍においては、政府からの外出自粛や営業時間の短縮要請に伴い、深夜の外食の需要が減少したことが理由です。

――3月13日以前に深夜営業をしていた店舗はあった?
3月13日以前に十数店舗で試験的に深夜営業を再開しておりましたが、コロナ禍において基本は、深夜営業は実施しておりませんでした。
――3月13日以前の「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」の営業時間は?
店舗によって様々ですが、基本は「23時30分(午後11時30分)」までとなります。
――3月13日以降、深夜営業を再開する店舗数を増やした理由は?
ポストコロナにおいて、深夜に外で食事をしたいという需要が高まっています。
一方で深夜に営業しているお店は減少傾向にあり、そうした社会的ニーズに、全国で店舗を展開している、すかいらーくホールディングスがお応えしていきたいと考えております。深夜営業を再開した店舗では、お客様から喜びのお声もいただいております。
「営業時間の延長でディナータイムの客数も伸びる傾向」
――飲食店は人手不足という話を聞くが、人手不足は解消された?
深夜営業に限らず、すかいらーくホールディングスは従業員が働きやすい環境づくりを積極的に進めております。2022年は全国2100店舗にロボット3000台の導入が完了し、セルフレジを約800店導入いたしました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入によって、スタッフを削減するのではなく、よりお客様の利便性向上、従業員の働きやすい環境づくりに努めております。
新人の方や外国人スタッフの方の業務習熟度の向上にも寄与しており、引き続き、環境づくりを大切にしながら、採用活動を強化していきたいと考えております。

――深夜営業の再開は、すかいらーくホールディングスにとって、どのようなメリットがある?
時代のニーズに合わせた営業時間にしていくことで、新たなお客様層のご来店やご来店頻度の増加につなげることができると考えております。
――深夜営業を再開した後、深夜の時間帯の客数は増えている?
好調に推移しております。営業時間の延長によって、ディナータイムのお客様数も伸びる傾向にあります。

――今後さらに、深夜営業をする店舗を増やしていく?
「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」など約2000店舗で24時までの営業時間に延長します。
さらに、約250店舗で午前2時閉店、午前5時閉店を予定しております。その後も、順次、ニーズに応じて、営業時間の変更を検討していく予定です。

コロナ禍で原則廃止となっていた、ファミレスの深夜営業。すかいらーくホールディングスでは、ニーズの高まりやDXの導入などによって、3月に再開し、今後は店舗数が徐々に増えていく見通しだ。
仕事の都合で深夜に外で食事をしたいのに、営業している飲食店がなくて困っていた人は、再開した店舗を調べて、利用してみてほしい。