人口流出と高齢化が進み、にぎわいが失われつつある富山・砺波市の里山、栴檀野(せんだんの)地区。今、里山の魅力を伝え、地域とつながる関係人口を増やそうと活動する女性がいる。「人と人とのつながり」を目指し取り組みを進めるその思いに迫った。

親子が参加 春の草花探す「里山さんぽ」

3月21日、足元に広がる自然を観察しながら春の草花を探す「里山さんぽ」が砺波市のキャンプ場で行われ、16組の親子が参加した。

子どもたちが集めた植物を長谷川さんが“鑑定”
子どもたちが集めた植物を長谷川さんが“鑑定”
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講師で農学博士の長谷川幹夫さんのもとには、気になる植物の正体を教えてもらおうと、子どもたちから次々に質問が寄せられていた。

「里山さんぽ」に参加する親子
「里山さんぽ」に参加する親子

参加した子ども:
いろんな植物を集めたのが一番の思い出。名前を図鑑で調べてみたい

参加した子どもの親 :
自分から見つけて「これ何ですか?」って、すごく良い経験をさせてもらった

里山の魅力発掘で地域活性化目指す女性

「里山さんぽ」を企画したのは、地域の活性化協議会で活動する米山愛さんだ。

せんだんの活性化協議会・米山愛さん
せんだんの活性化協議会・米山愛さん

せんだんの活性化協議会・米山愛さん:
子どもたちが楽しめる仕掛けを考えていて、自然観察だけだとつまらなくなるけど、「食べられる草を見つけよう」とか、「春を見つけよう」とか、きっかけ作りを

米山さんたちが暮らす砺波市北東部に広がる里山、栴檀野地区は、人口流出と高齢化が進み、つながりやにぎわいが失われつつある今、里山の魅力を発掘し多くの人に足を運んでもらおうと、これまで様々な活動を行っている。

にぎわいづくりの拠点「ぜんだんのHILL」
にぎわいづくりの拠点「ぜんだんのHILL」

閉園した幼稚園をリニューアルし、2021年の4月、米山さんたちの活動拠点としてオープンしたコミュニティー施設「せんだんのHILL」では、里山の資源を守ろうと、地域の建具屋で出た端材をまきとしてキャンプ場の利用者に販売したり、様々な世代が集えるカフェを開いたりするなど「人と人とのつながり」を目指し、地域の活性化に向けた取り組みを行ってきた。

「里山さんぽ」の様子
「里山さんぽ」の様子

「里山さんぽ」もその取り組みのひとつで、夏、秋、冬に続いて今回で4回目。回を重ねるごとに反響を呼び、参加者は、富山県内中から集まるようになった。

関係人口の増加目指す

この日、里山さんぽを終えた子どもたちも「せんだんのHILL」へ戻り、ピザづくりを体験。摘み取った草花を手作りのピザにのせて、焼き立てを味わった。

摘み取った草花を乗せたピザを堪能
摘み取った草花を乗せたピザを堪能

里山の豊かな自然を、見て、ふれて、食べて、学ぶ。貴重な体験ができた1日となった。

「すてきな人たちが集まってくれるようになった」と語る米山さん
「すてきな人たちが集まってくれるようになった」と語る米山さん

せんだんの活性化協議会・米山愛さん:
土日はどこかに遊びに行くことを繰り返していたが、自分に近い所で自分の好きな所をつくっていけるのがありがたい。すてきな人たちが集まってくれるようになった。その人たちに感謝ですね

地域限定の植物図鑑も配布予定
地域限定の植物図鑑も配布予定

「栴檀野地区のことをもっと知ってほしい」という思いのもと、米山さんたちは、この里山さんぽを通して「地域限定の植物図鑑」を作っていて、完成したものを今後のイベントで配布するなどし、栴檀野地区とつながる関係人口を増やしていきたいとしている。

(栴檀野を)自然の中への入口に…
(栴檀野を)自然の中への入口に…

せんだんの活性化協議会・米山愛さん:
都会だけでは味わえない自然を「森まで行けないけれど、ここまでなら来られる」と、(栴檀野を)「自然の中への入口」にしてもらえたらうれしい

(富山テレビ)

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富山テレビ
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