自分で作ったヨットで故郷のオーストラリアに帰る。
そんな夢を抱いて射水市で制作に取り組む男性がいます。
富山で出来た仲間と進めてきたヨットづくりは4年目に入りました。
オーストラリアと富山を結ぶ壮大なプロジェクトを取材しました。
オーストラリア出身のケビン・モクシーさん(65)です。
ケビンさんが作っているのは2つの船体を甲板でつないだカタマランという巨大なヨット。
ケビンさんは60歳までシドニーの劇場で音響技師として働いていましたが、妻の母を介護するため富山にやってきました。
Q:ヨットづくりは?
「初めてだよ。でもこの仕事が好きなんだ」
ヨットは組み立てキットになっています。
板に描かれた線に沿ってパーツを切り取り、2500種類の部品を設計図通りに組み合わせていきます。
2021年の夏にスタートしたヨットの制作。
富山のヨットマンや地域の人たちの手を借り、今年で4年目に入りました。
ケビンさんの制作拠点は新湊大橋のそばの大きな倉庫。
手作りヨットでオーストラリアを目指すという夢に共感した富山の愛好家が紹介してくれました。
ヨットは完成すれば長さ14.6m、幅7.7m、マストの高さ24m。
船体の大枠は完成に近づいています。
現在は船体の居住部分の制作に入っています。
船底には
*ケビンさん
「ヨットにもエンジンがあって、プロペラシャフトを通します。その上にベッドを置きます。反対側にはベッドの入る部屋大きなバスルームも」
限られた居住スペースを有効活用するため、様々なものがコンパクトに作られています。
そのため、バッテリーを置く部屋のシミレーションも、ダンボールで同じサイズの空間を作り、重さ30キロのバッテリーを狭い空間にどう配置すべきか検討していました。
この日は船のダイニングに置くL字のベンチのイメージを固めていました。
手伝っている近藤さんは富山と東京で2拠点生活をしています。
ケビンさん、ヨットに置く家具は、全て自分たちで作る予定です。
*近藤正幸さん
「どの程度まで再現して、モップアップを作るかによるんですが、いつもよりも慎重ですよ。」
カットした材料を仮組して、イメージを膨らませます。
図面でサイズを確認したり、近藤さんと意見を交わしたりしながら、何度も確かめていました。
*近藤さん
「すごいですよね。精神的に。とにかくタフ、一人でもやるっていうんだからすごいよね。年だから、最後まで見届けられるかわからないけど。」
*ケビンさん
「楽しいよ。楽しいから続けられるんだ。来年の12月くらいを目標にしたいんだけども、冬の間は外に出せないから2027年の4月くらいまで待たないといけないと思う。大丈夫。急いでないから」
自分で作ったヨットで海に漕ぎだす日を夢見て。
ケビンさんの挑戦はまだまだ続きます。
一枚一枚のキットが組み合わさって、ヨットができていく様子は圧巻でした。
ケビンさんは手伝ってくれる富山の仲間と一緒に作る楽しみを共有しながら、完成させたいと話していました。
ヨットの完成までこの時間でまたお伝えします。