入院患者への暴行の疑いで看護師が逮捕された、東京・八王子市の精神科病院。その病院に父親が入院していたものの、容体が悪化するまでほとんど面会ができなかったという遺族が、今の思いを語った。
この記事の画像(8枚)腰に“直径5センチ超の穴”…病院の対応に不信感
八王子市の精神科病院「滝山病院」では、入院患者への暴行が発覚し看護師が逮捕され、略式命令を受けた。
Aさんの父親はうつ病に加え糖尿病が悪化したため、人工透析もできる入院先として医師から滝山病院を紹介された。父親が2018年に入院してから亡くなる直前までの3年半、コロナなどの影響もあり、ほとんど面会できずにいたという。
Aさん:
心配でしたよね。姿かたちが見られないので。
対面できたのは、父親の容体が悪化して集中治療室に入った後だった。その2カ月後の2022年1月に父親は亡くなった。
Aさんは弁護士の助言により病院からカルテの開示を受けた。
Aさん:
褥瘡(じょくそう)の部分でしたね。一番びっくりしたのは。すごい状態の写真が出てきて…
褥瘡とは、床ずれのことで、父親の腰は、直径5センチ以上の大きな穴ができたような状態になっていた。Aさんは、病院の対応に不信感を抱いたままだという。
Aさん:
ベストな治療方法だったり処置をしていただいてるとこっちは思ってますんで。ちゃんと看護されてなかったんだなというのは、後で知った形なので。
病院から死因については説明があったが、傷については説明がなかった。また、病院はFNNの取材に対し、これまでのところ回答をしていない。
病院選ぶ際には「自衛策が必要」
精神医療の現場で長年働き、滝山病院を告発した相原啓介弁護士は、病院を選ぶ際の注意を呼びかけている。
相原啓介弁護士:
入院した後に自由にご家族が病室で会う事が出来る環境なのかどうか。自由に会うことができないようだとなったらその病院でないところを探す、そういう自衛策が必要。
Aさんは、自分たち家族のような思いをする人がいなくなって欲しいと語った。
Aさん:
患者さんに寄り添った病院だったり、治療方針が明確になってるような病院を選んだりだとか。しっかり先生の話だったりとか、治療方針を確認した上で家族で進めていくのが一番いいのかなと思います。