ゼロコロナ政策の突然の終了によって、中国の新型コロナの隔離施設が一度も使われず、もぬけの殻となっている。

中国・広州市にある巨大な施設
中国・広州市にある巨大な施設
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とある場所にたどり着いた取材班。そこで見たのは巨大な施設だ。

監視カメラが、その施設の中にも外にも目を光らせる。

延々と続く高い壁が施設を囲み、

壁の上には張り巡らされた有刺鉄線も見える。

そして、有刺鉄線にひっかかった真っ赤な垂れ幕もあった。

施設の場所は、中国・広州市。新型コロナの隔離施設だ。

敷地面積は約33万㎡で東京ドーム約7個分。そこに、8万床のベッドがある。

しかし、中には人っ子1人、見当たらない。

建物の中も、もぬけの殻。というよりも使われた形跡すらない。

一度も使われなかった8万床のベッド

政府の大号令で進められた建設。ところが…

記者:
こちらの隔離施設は2022年に急ピッチで工事が行われ、11月下旬には完成しましたが、ゼロコロナ政策が12月上旬に終了し、一度も使われていないということです。

建設工事の作業員:
2022年11月から工事が始まって、私も参加しました。当時は昼夜を問わず働きづめだったんですけどね。

市民たちが続けた抗議活動に続く、習近平政権の看板、ゼロコロナ政策の終了。

それが、あまりにも突然だったことを物語るこの負の遺産は、忘れられたように今もそのままになっている。

(「イット!」 3月17日放送より)