息子をかたるオレオレ詐欺犯に、300万円をだまし取られそうになった80代の女性を助けたとして、タクシー運転手の男性が警察から感謝状を贈呈されました。

この記事の画像(13枚)

きっかけは、乗車時の女性の様子に抱いた、小さな“違和感”だったといいます。
「めざまし8」はそのとき何があったのか、詳しく取材しました。

「人の命に関わることですか?」乗車時に抱いた“違和感”から行動に

2月17日夜、横浜市で80代の女性を迎えに行ったタクシー運転手の中村さん。

指定の場所に到着すると、慌てた様子で、電話をしながら家から出て来た女性が。
この時、中村さんはかすかに“違和感”を覚えたといいます。

平和交通 中村さん:
(大体急いでる方は)ドアサービスをするときに、行き先を告げてくる方が多いです。高齢の女性、高齢男性の場合は、なかなかそういう機会に巡り合わないので。

高齢の客にしては珍しく、乗車前に急いだ様子で目的地を告げてきたというのです。
さらに…。

平和交通 中村さん:
「駅のどの辺りまで行かれますか?」と声をかけたら「近くに行ったら指示があるので」って、これがちょっと変に感じました。

「指示がある」という言い方に違和感をもった中村さん
「指示がある」という言い方に違和感をもった中村さん

「指示します」ではなく「指示がある」という言葉。
女性の言動に不審を抱いたという中村さんは、「お急ぎのようでしたら高速使いますか?」「人の命に関わることですか?」など女性に声をかけ続けたといいます。

女性に声をかけ続けたという
女性に声をかけ続けたという

その後、女性は誰かに電話をかけた直後に、「詐欺よ、詐欺」と大きな声で叫んだと言います。

そこで、中村さんはすかさず110番に連絡し、女性を警察署まで送り届けました。

女性は中村さんが声をかけ続けたことで「気持ちが落ちついた」と警察に話していたといいます。

平和交通 中村さん:
何か息子と連絡がとれたような一言を、言っていたので。
多分少し落ち着いた気持ちの中で、息子さんと連絡を取ろうかなっていう意思が、車内で芽生えていたのかもしれないです。

感謝状を贈った神奈川県警・山手署は、「タクシーは、犯人が被害者を遠くに誘導するツールに使われる。高い意識で対応してもらい感謝している」とコメント。

平和交通 中村さん:
自分にとっては普通の仕事をして、それが良い結果につながってよかったと思います。

(めざまし8「NewsTag」より 3月9日放送)