沖縄県今帰仁村で作られるスイカのブランド価値を高めようと新たなプロジェクトに乗り出した。温暖な気候を活かして冬でも生産できる強みに加え、スイカづくりのプロを本土から招いて指導を受けた。若手の生産者たちが思い描く今帰仁スイカの未来を取材した。

沖縄一のスイカ生産地・今帰仁村

沖縄随一のスイカの生産地である今帰仁村。
地元で採れる今帰仁スイカの種類や味を子ども達に知ってもらおうと、地域の小学生およそ100人を招いた試食会が開かれた。

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今帰仁村内の小学生:
金色羅皇(こんじきらおう)が一番おいしい、甘すぎる

今帰仁村内の小学生:
大切に育てているからこんなに美味しいんだなと思った

若手農家が集結 今帰仁スイカサミット

今帰仁スイカのブランド価値を高めるため、地域の若手生産者らはある取り組みを
スタートしている。

その名も「今帰仁スイカサミット」

村内4つの生産組合が参加し、これまで繋がりが弱かった生産者同士が力を合わせ、スイカの栽培技術の向上や市場への安定供給、農家の所得向上を目指す。

牽引するのは委員長の上間翔さん。

今帰仁スイカサミット JAおきなわスイカ生産部会 上間翔委員長:
4つの組合の連携で今帰仁スイカのクオリティの統一、この基準値を守るということです。市場の評価も上がって栽培技術も上がり、それが評価された上で農家の手取りが上がるというような方向に持っていけたら一番いいなと思っています

安定した出荷量を保てず課題山積

およそ90年前から始まった今帰仁村のスイカ作り。
村をあげてアピールしてきたこともあり沖縄県内での認知度は高い一方で、県外への出荷は生産量の10%程度に留まるなど、全国的にはまだまだ浸透しているとは言えない。

そこには生産者同士の連携不足によって品種や品質にばらつきが出たり、安定した出荷量を保てないなどといった課題がある。

今帰仁スイカサミット JAおきなわスイカ生産部会 上間翔委員長:
やっぱり安定した供給と持続的な供給を市場さんが一番求めることが多いので、やはりばらけてしまっている分、数が確保できないっていう部分は少なからずあると思います。
そのため今後は、そこを何とか連携してやっていければいいのかなと考えています

スイカづくりのプロを招へい

生産現場には、この活動を温かく見守るスイカ作りのプロの姿もあった。全国で栽培されるスイカの半分以上の種を供給している萩原農場生産研究所の萩原俊嗣さん。

萩原農場生産研究所 萩原俊嗣社長:
まずはやっぱり質と量を確保していくにやっていくことが、今帰仁のブランドを続けていける、また発展させていける一番の元になると思います

2023年1月、今帰仁スイカサミットが開いた講演会で萩原さんは、全国のブランドスイカと肩を並べるための今帰仁スイカの強みは、温暖な気候で冬でもスイカを生産できることだと強調した。

萩原農場生産研究所 萩原俊嗣社長:
まずは沖縄でしか作れない冬のスイカ。そういうことを、ぜひとも一緒になって産地作りをしていってほしいと思います

今帰仁スイカを農家や消費者にとっても魅力あるものにしたいと意気込む今帰仁スイカサミットのメンバーが描く未来とは。

今帰仁スイカサミット 生産グループ北山 仲本大輝さん:
年間通してまず出荷して、そこから全国の皆さんに今帰仁スイカを知ってもらって、日本一の今帰仁スイカを作れるように頑張りたい

今帰仁スイカサミット JAおきなわスイカ生産部会 上間翔委員長:
どんどん高齢化が進んできてる中で、若手生産者が一致団結したっていうのが今後、価値を見出せるのかなというふうに考えています

(沖縄テレビ)

沖縄テレビ
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