次世代の移動手段として期待される「空飛ぶクルマ」。大阪・関西万博での実用化が目指され、目玉の一つと期待されているが、21日、新たに参加する事業者が発表された。ドローンなどの技術を応用し、開発が進む「夢の乗り物」の実現に向けて期待の声があがっている。

運航事業者4グループ決定

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原佑輔記者リポート:
こちらの会場では、大阪・関西万博の目玉となる“空飛ぶクルマ”に関する発表会が行われています

21日、東京で発表されたのは“空飛ぶクルマ”の運航事業者。ANAホールディングスや日本航空、ベンチャー企業のスカイドライブなど4グループに決まった。

デモアナウンス:
さあ離陸します。どうぞ空の旅をお楽しみください」「大阪・関西地域の絶景を、いま一度お楽しみください

この「空飛ぶクルマ」は万博の開催期間中、会場と大阪市内、関西国際空港の3地点を結んでの運航を予定している。

機体の開発は世界各地で進んでいて、今回、ANAホールディングスは共同運航事業者となるアメリカのベンチャー企業ジョビー・アビエーションの機体を使用。

また日本航空はドイツの企業が開発する機体を使用する予定で、この機体は来年にもフランスやシンガポールでの商用運航がスタートする予定だ。

“国産の空飛ぶクルマ”も

そして注目されるのは“国産の空飛ぶクルマ”。トヨタ自動車の出身者たちが、研究開発を進めてきた「SkyDrive(スカイドライブ)」。

スカイドライブ 福澤知浩社長:
“空飛ぶクルマ”っていうのは技術の進歩の上に成り立つんですけども、ようやくその技術の進歩的に、今ならできるんですね。やっぱり空を、環境に負荷がなくて、早く楽しく移動するって、どう考えてもみんなやりたいことなんですよ

2021年には、万博に向け大阪府・大阪市と連携協定を結んだが、実現にはまだまだハードルがある。これまで人を乗せて行った実証実験では3メートルの高さを約4分間、「浮き上がった」のみ。実際のフライトとまではいかなかった。

日本で初めて「屋外で人を乗せて飛んだ実験」として認定されたのは、国産ではなく中国の企業が開発した機体だった。

それでもスカイドライブは、今年度中には飛行距離を最長10キロに伸ばし、2028年度には、自動運転での実用化を目指すとしている。

「皆さんが乗れるような未来社会を」

2025年の万博での「空飛ぶクルマ」実用化に向けて吉村知事は…

大阪府 吉村洋文知事:
非常に大きな第一歩だと思います。本日、事業者が決定されました。府民の皆さんが“空飛ぶクルマ”に乗れるような、そんな未来社会をぜひ実現したいと思います

吉村知事は3月にも人を乗せた飛行実験を行うとしていて、空飛ぶクルマの開発競争がさらに加速しそうだ。

(関西テレビ「報道ランナー」2023年2月21日放送)

関西テレビ
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