ペンギンたちの“三角関係”に、“相性百点満点”のレッサーパンダ。愛媛県立とべ動物園の動物たちの「恋愛事情」を大調査した。
ペンギンをめぐる“切ない恋物語”
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー：
ペンギン広場です。現在繁殖シーズン真っ只中なんですが、恋模様に変化が現れてきているとの情報が入りました
とべ動物園・村上郁キーパー：
今、8ペアいるんですが、そのうちのひとつのペアで三角模様のような関係になっていたんです
ペンギン舎で三角関係とは一大事！ そこには、実はちょっとほろ苦く、切ない恋物語があった。
とべ動物園・村上郁キーパー：
もともとは、オスの「セサミ」とメスの「コエ」がペアだったんですけど、別のペアでオスの「シンジ」とメスの「シロコ」というペアがいたんですが、そのうちシロコが亡くなってしまったことをきっかけに、コエがセサミとシンジの間を行き来して三角関係のような状態になっていて、結局コエはシンジを選んで、新しいカップルが誕生しました
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー：
ということは、シンジは略奪愛をしたってことなんですかね？
とべ動物園・村上郁キーパー：
そうなりますね。シンジ君もコエちゃんだけじゃなくて、ほかのメスにもたくさんアプローチしていて、そのうちコエと距離が縮まったという形です
さすがモテ男・シンジ。ただ、気になるのが…。
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー：
いたたまれないのがセサミですよね。今セサミはどういう状況なんですか
とべ動物園・村上郁キーパー：
セサミはその後もフリーで、ほかのメスもそれぞれペアの相手がいるので
とべ動物園には現在22羽のペンギンがいるが、そのうち8組がカップルになっていて、残りの6羽は全てオスなのだ。ペンギン舎を見ていると、独り身のオスたちの背中は心なしか寂しそう…。
とべ動物園・村上郁キーパー：
セサミもすごく穏やかで気の優しそうなオスなので、ちょっと寂しいなとむなしくなったりもするんですけど、これはそっと見守るのが一番だなと思っています
ペンギンの繁殖期は10月から3月ごろ。この時期、求愛行動もよく見られるという。
とべ動物園・村上郁キーパー：
オスがメスの後ろから翼をパタパタさせて近づくのが求愛行動といわれています。お互い羽繕いをしたり、一緒に鳴き交わしたりしながら絆を深めていくんだと思います
飼育担当1年目の村上キーパーも、ペンギンの恋愛事情に驚いたという。
とべ動物園・村上郁キーパー：
私もペンギンはオスメスの絆が強くて、ずっとペアが変わらないのかなと思っていたんですけど、様子を見ていたらそれぞれ複雑で、すごく見ていて面白いですね
次の月9ドラマは「ペンギン恋物語」になるかも？
飼育担当も太鼓判のラブラブカップル
続いては、レッサーパンダのラブラブカップル。“丸顔王子”こと「砥々丸」と姉さん女房の「コウメ」だ。
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー：
ズバリ、2匹の相性は二宮キーパー目線でどうでしょうか？
とべ動物園・二宮香澄キーパー：
誰が見ても百点満点。ラブラブ度が見られる状況ですね
ラブラブっぷりがわかる様子は取材中にも見られた。
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー：
砥々丸くんがコウメちゃんの近くに寄っていきました。そして顔を寄せ合ってますね
構ってほしい砥々丸だが…。
テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー：
コウメちゃんは毛づくろいに必死です。砥々丸くん、諦めてしまいました。構ってもらえませんでした
とべ動物園・二宮香澄キーパー：
時々うっとうしいなという感じで、パンチを食らう砥々丸くんです
気分じゃない時もあるようだ。砥々丸くん、ドンマイ！
とってもシビアな繁殖期
気になる恋の行方だが、レッサーパンダの繁殖期は1月から3月で、今がまさにその季節。ただ、発情するのはシーズンに1、2回で、しかもわずか2、3日だけとタイミングがとっても大事なのだ。
とべ動物園・二宮香澄キーパー：
発情が来た時のオスの反応というのは「キュルキュルキュル」という小さい声なんですけど、鳥のような鳴き声が聞こえます
お互いに「恋鳴き」と呼ばれる鳴き方をするほか、メスは特有のにおいを出すそうだ。
とべ動物園・二宮香澄キーパー：
コウメの発情が来てないか、どういう状態なのか、オスが陰部のにおいを嗅いで状態を把握しています
砥々丸も最近、自分のにおいをこすりつける「マーキング」の回数が増え、いつも以上にコウメが気になる様子だ。将来のお嫁さん候補としてとべ動物園に来たコウメ。繁殖期の同居は2023年で5年目になる。
とべ動物園・二宮香澄キーパー：
もちろん飼育の立場で繁殖というのは重要なことですし、ぜひ頑張って赤ちゃんが生まれてくれたら良いなというのは毎年思いながらなんですが、日々観察を続けながら飼育に努めていきたいと思います
これからも砥々丸・コウメのカップルを温かく見守っていきたい。
（テレビ愛媛）
