山形の「温泉」と最先端の「がん治療」など、県内の観光資源と医療資源を組み合わせた「医療ツーリズム」を誘客につなげる取り組みが始まった。目指すのは「楽しい旅行」から「元気になる旅行」への転換だ。

山形の観光資源「温泉」を生かした取り組み

山形市内の旅行会社と、県、山形大学などが共同で開発を進めてきたこの取り組み。県内有数の観光資源である「温泉」と、県内でしか受けられない「医療サービス」を組み合わせた旅行を提案することで、観光客の増加を目指すもの。

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たとえば、蔵王温泉などに宿泊しながら山形済生病院で高い精度のがん検査・「PET/CT検診」が受けられるコースは、1カ月はかかる検査の結果が、特別に検査当日に教えてもらえる。さらに、専門の医師が宿泊先まで出向き、検査結果について専門的な指導もしてくれる。

「PET検診」の結果が即日わかるサービスは全国的にも珍しく、旅行費用は2泊3日で大人1人当たり50万円だ。

「楽しい観光」から「元気になる観光」へ…

ほかにも、最先端のがん治療が行える山形大学医学部の「東日本重粒子センター」と連携した旅行もある。数週間かかる治療に専念できるよう、それぞれの患者の要望に応じた個別の旅行プランを提供するという。

山形大学・山田浩久教授:
「ぜひまた来てください」という観光ではなく、「もう二度と来ないでください」という観光商品をつくる。あえて「楽しい観光」から「癒やされる観光」、さらにはそれを超えて「元気になる・治療する観光へ」

これからの旅行のおもなターゲットは首都圏などの富裕層。PET/CT検診旅行は2月16日から販売が始まった。
一方、重粒子線治療の旅行は、個別の相談受付が始まっていて、実際に旅行商品としての販売が始まるのは今年秋ごろからとなる見通しだ。

(さくらんぼテレビ)

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