愛媛の「鯛めし」。「炊きこみ」と「刺し身」のふたつのタイプがあるが、今治市の大島に新しいカタチの「鯛めし」が登場した。どんぶりの中には、来島海峡の恵みと漁師たちの思いが詰まっている。

愛媛各地の個性と魅力を象徴「鯛めし」

愛媛を代表するグルメの鯛めし。

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中予や東予で食べられるのは、タイをまるまる一匹炊き込むスタイル。

一方、南予はタイの刺し身をたれに漬け込み、ご飯の上にかけて味わう。

同じ「鯛めし」でも全く違う調理法。愛媛の各地の個性と魅力を象徴する郷土料理だ。

この愛媛の鯛めしに新たな魅力を吹き込むべく登場したのが、今治市大島の「宮窪鯛めし」。気になるのはその作り方だ。

ご飯の上に湯引きしたタイの切り身を乗せる。

ここまでは南予タイプのようだが、なんとガスバーナーであぶっている。

調理スタッフ:
あぶった方が食感が出るんで、やっぱりおいしくなります

その上にネギや卵黄を乗せて、宮窪鯛めしの完成。食べる時は上からしょうゆを…味わい方は海鮮丼風だ。

ブランド名は「10kt真鯛」

1月28日、宮窪の魅力をPRするモニターツアーが行われ、参加者がこの新しい鯛めしを味わった。

宮窪鯛めしを食べた人:
すごいおいしい!あぶってるから香ばしくておいしいですし、身も引き締まってるけど、口の中でふわっと身がほぐれる感じでおいしいですね

宮窪鯛めしを食べた人:
歯応えだけじゃなくて身が甘くておいしいです。また皮付きがいいんですよね。皮の所がすごくおいしいです

宮窪鯛めしを食べた人:
食べても、これは今普通に食べているタイとは、全然違うなぁっていうのがよく分かりますし、この食べ方が新たなスタイルの鯛めしっていうのを試食ができて、すごくおいしかったです

この宮窪鯛めし、漁師のまかない飯をベースに愛媛県漁協宮窪支所がレシピを考えた。そこには宮窪の漁師たちの地元の魚への思いがあった。

愛媛県漁協宮窪支所・關洋二運営委員長:
昔のままではちょっと変化もないし、どんどん宮窪のおいしい魚を知ってもらわな

コロナ禍で外食向けの魚の需要が減り、宮窪の魚の価格もかつての半額程度に低迷している。こうした状況から起死回生を図るべく、地元自慢の天然マダイを本格的に売り出そうと、愛媛県漁協宮窪支所はブランド化に乗り出している。

全国的にも有名な来島海峡の激しい潮流。この潮流にもまれて育ったのが、宮窪のマダイの最大のPRポイント。

そこでブランド名は、潮の流れの速さから「10kt(テンノット)真鯛」と名付けられた。

観光プログラムなど全国に展開

さらに、ブランド化とともに潮流や漁業体験など観光プログラムも開発した。宮窪のマダイの全国への売り出しに本格的に乗り出す。

愛媛県漁協宮窪支所・關洋二運営委員長:
日本全国から宮窪の鯛めしを食べに来てもらえて、このレストランが満席になるんを期待してます

宮窪鯛めしは、2月1日から今治市大島のレストラン「能島水軍」の新たなメニューに加わっている。

(テレビ愛媛)

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