秋田・湯沢市で弁当や総菜を販売する「キッチンカー」の営業が始まり、初日は開店前から長い行列ができる上々の滑り出しを見せた。手掛けるのは市内のある企業。地域の課題解決を目指す新たな挑戦だ。

キッチンカー始動 初日から行列!

1月18日、湯沢市役所にやってきた真新しいキッチンカー「ゆきだるま号」。

栄養士・黒澤理紗さん
栄養士・黒澤理紗さん
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栄養士・黒澤理紗さんが、営業開始に向け準備を進める。

販売するのは2種類の彩り豊かな弁当。営業前から行列ができ、販売を始めると次から次へと飛ぶように売れていく。

買い物客:
おいしそう

買い物客:
きれいです

営業初日、滑り出しは上々だ。

「社員が作る農作物を使って…」

実は、黒澤さんはただの「栄養士」ではない。コーヒーフィルターなどの製造を手掛ける佐藤縫製の社員だ。

なぜ「ゆきだるま号」をはじめたのだろうか。

佐藤縫製・食品製造部 黒澤理紗さん:
佐藤縫製の社員の半数以上が兼業農家で、いろいろ休憩時間に野菜を持ってきたり、種苗交換会のようになっている

「社員が作る農作物を使って何かできないか…」黒澤さんの思いは次第に強くなる。

佐藤縫製・食品製造部 黒澤理紗さん:
農家が周りにいて、新鮮な野菜や果樹などを作っている環境があるにもかかわらず、全部規格外で廃棄されるのはもったいない

黒澤さんの発案を受け佐藤縫製は、傷がついたリンゴや大根など、市場に出回らない規格外の農作物を社員から仕入れ、調理・販売する事業に乗り出した。

栄養士の黒澤さんを中心に、栄養のバランスを考えながら見た目に工夫を凝らし、試行錯誤しながらついに商品が完成。規格外の材料を使うことで、手頃な値段での販売が実現した。

皆瀬牛の牛丼弁当に入っているニンジンやユズは、規格外のものが使われている。

地域課題解決へ挑戦

弁当は30分ほどで完売。

弁当の完売に笑顔
弁当の完売に笑顔

佐藤縫製・食品製造部 黒澤理紗さん:
ソールドアウトです。売れちゃった

今後は市役所のほか、地域を回って販売される予定だ。

佐藤縫製・食品製造部 黒澤理紗さん:
兼業農家というのは生かしていきたい。(その人たちを)手伝ってあげたい。一緒に頑張っていけるような存在でいたいので、気軽に食べていけるような総菜作りをしていきたい

縫製業を営む企業の新たな挑戦。「食品ロス」の削減に一役買うとともに「買い物難民」の支援にも期待がかかる。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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