レジャーに出かける機会が増えた今、気をつけたいのが現地でのトラブル。気軽に登れる山として人気の高尾山でトラブルの原因となるのが、よく見る“この光景”だ。
![げたを履いて登山道を上る男性](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/b/700mw/img_4bf6e485c899e527069e4ee45ed122ae314269.jpg)
取材班:
あちらの男性、げたを履いて登山道を上っていきます。あちらの女性はヒールを履いて登っていきます。
![ヒールを履く女性の姿も](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/b/700mw/img_db3f88494206f38fcdf823ff75e253e7217951.jpg)
ヒールで山頂まで登って来た女性に話を聞いてみると…。
![ヒールで山頂まで 「すごく滑りやすい」と女性](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/4/700mw/img_b47fc90fd2c3c461cee4754336bced2c281653.jpg)
20代女性:
すごく滑りやすい、階段も多かったし。割と軽い気持ちで。
女性の友人:
ハイキングくらいのつもりだった。
登山をしているという感覚はないようだ。しかし、侮ってはいけない。
![東京都での山岳遭難は全国で3番目に多い その半数は高尾山を含む周辺の山々で発生](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/e/6/700mw/img_e664e49b43a77a685aba3f9be557d0fa343847.jpg)
実は東京都での山岳遭難は、長野県の257件、北海道の197件に次いで全国で3番目に多く、157件も発生(令和3年)。そのうちの約半分は、高尾山を含む周辺の山々で起きている。
そんな登山客の安全を守っているのが、警視庁高尾警察署の山岳救助隊だ。
階段のくぼみで足をひねる 背負ってパトカーへ
午後1時半ごろ、SOSが入った。登山客に注意を呼びかけながら、パトカーが登山道を登っていく。
隊員:
上でケガ人が出ているため、広めに空けていただけますか。
![午後1時半ごろ、山岳救助隊にSOS](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/5/700mw/img_f5638ca6b0af5b8d3d5094f34ed74ad4276042.jpg)
現場は、高尾山の登山道にもなっている薬王院。すでに消防隊が到着していた。
隊員:
すみません、高尾警察署の山岳救助隊の神藤と申します。
![助けを求めたのは20代女性 すでに消防隊が到着していた](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/d/700mw/img_6d900bec15df4455552670c872d4684f281851.jpg)
助けを求めたのは20代の女性。左足を固定され、応急処置が施されている。何があったのか?
隊員:
状況としてはどんな感じですか?
![「階段を下っていて、くぼみにはまって…」左足をひねってしまったと話す](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/a/700mw/img_ca15bb8012f6fdc3df729a516b11ebac287842.jpg)
20代女性:
さっき、そこの階段のところを下っていて。階段のちょっと端っこのところにくぼみがあって、そこにはまって…。
隊員:
ひねちゃった?わかりました。今、痛みは左足だけ?
20代女性:
左足です。
![下山途中、女性がつまずいたという階段](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/0/700mw/img_b02e7329345446166b9ae63bed1b5f3d247383.jpg)
下山途中で階段のくぼみにつまずき、左足をひねってしまったという。一緒に来ていた男性に話を聞くと…。
![デート中に起きたトラブル「今日は久しぶりの登山。登山でもないですけど…」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/a/f/700mw/img_afc58a17da171b4ea9948d0f512f52f0279697.jpg)
一緒に登山していた男性:
今日は久しぶりの登山。登山でもないですけど…。こんな大がかりとは思いませんでした。
デートで登山を楽んでいる最中に起きた、まさかのトラブル。
隊員:
立ち上がるのもつらいぐらいですか?
20代女性:
ケガしたばっかりの時は、ちょっと頭痛っぽくなっちゃって。一回、そこに座って。
![隊員「立ち上がるのもつらいぐらいですか?」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/8/6/700mw/img_86ed6d223e685d8c156468db0e3af037355508.jpg)
隊員:
それで、もうこれ以上無理だなって?しょうがないね。
20代女性:
すみません。
自力では下山することができない。
隊員:
こっちで背負ってパトカーまで、そういう形になっちゃうんだけど。
20代女性:
すみません。
女性を背負ってパトカーまで運ぶことに。
隊員:
上げますよ、いいですか?1、2、3。
![自力で下山できないためパトカーまで運ぶ 「中学生ぶりに(背負われた)」と女性](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/4/700mw/img_b4cfa5ad3a97e87da19519abe81d1db5274294.jpg)
20代女性:
恥ずかしいです。
隊員:
背負われるとは思わなかった?でも、よくある話なので。
20代女性:
中学生ぶりに(背負われた)。
登山客に呼びかけながら、慎重に階段を下りていく。
![登山客に「道を空けてください」と呼びかけながら、慎重に階段を下りていく](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/c/700mw/img_fc0e9e484b4b2e152411bfbccd22f9d1261362.jpg)
隊員:
申し訳ありません。ちょっと道を空けていただけますか。
![無事にパトカーまで到着](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/f/700mw/img_2f2bde20ffd25aeb13ef6fe4055b8ce2260233.jpg)
無事にパトカーまで運び、女性はその後、病院へと搬送された。
同級生と登山中に突然痛みが…救助を急ぐワケ
間もなく日が沈む午後4時前。本格的な登山が楽しめる「稲荷山コース」で、消防隊にSOSが入った。
![午後4時前、本格的な登山が楽しめるコースから救助要請](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/1/700mw/img_7191ad2255e00b1c4b5d5ad12f915275333284.jpg)
手当を受けていたのは、70代の高齢男性。
消防隊員:
一番ピーク時よりは、少し楽になりました?
70代男性:
休めばなんでもないの。
![手当てを受ける70代の高齢男性 「休めばなんでもないの。見かねた人がおぶってくれた」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/b/c/700mw/img_bc6749b06e5798ce2824cb2d99b2b1f3324896.jpg)
消防隊員:
歩き出すとだよね?
70代男性:
歩くと(体が)後ろにそっちゃう。見かねた人が、そこからおぶってくれたんですよ。
![](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/d/700mw/img_6d58ee0b7c98dfe37f1ab2aa49690eae364631.jpg)
同級生3人で午前中から登山を楽しみ、お昼過ぎに山頂から下山。その途中で突然、男性の足に痛みが走ったという。一緒にいた男性に話を聞いた。
![「途中まで来たけど、あんまりひどいもんでね」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/700mw/img_92daa1795149a76f9f14d68a70ae442c284337.jpg)
一緒に登山していた男性:
休みながら(下山してきて)。なんか(足が)痛くなったということで。痛くなったというより、フラフラなるもんで。途中まで来たけど、あんまりひどいもんでね。
なんとか山の中腹あたりまで下りて来たが、これ以上進むのは厳しいと判断。救助を要請した。
![なんとか中腹あたりまで下山したが…](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/c/b/700mw/img_cbdf60bb96e2860099534d05d7ebfad5302987.jpg)
麓から約1kmも距離がある現場。自力での下山は難しく、隊員が担いでいくことに。
消防隊員:
じゃあ、落ちないよう、胸にロープを巻かせてもらいますね。
![現場は麓から約1km 自力での下山は難しく、隊員が担いで下山することに](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/9/700mw/img_99843b5d0c0bdd84724418f05c62a654258200.jpg)
一刻も早く下山しなければいけない理由があった。それが…。
取材班:
皆さん、暗い道をスマートフォンのライトを照らして歩いています。
![日没後、登山道は暗闇に 街灯も少なく救助活動のリスクが高まる](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/3/f/700mw/img_3ff4f82db8b1fd9d6b3ea541d1d264d5177738.jpg)
日没とともに暗闇に包まれる登山道。街灯も少ないため、暗くなれば一気に救助活動のリスクが高まる。
時刻は午後4時すぎ、日没まで残り30分ほどだ。
![時刻は午後4時すぎ、日没まで残り30分ほど](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/700mw/img_f25ae633bc9342261bb6d4676889afdf292120.jpg)
消防隊員:
いきまーす。1、2、3。どうですか?お気持ち変わりませんか?
70代男性:
大丈夫。
男性の救助活動が始まった。
![アップダウンが続く山道](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/2/8/700mw/img_28ac9bd282415c6a22b4146844ad9746320337.jpg)
アップダウンが続く山道。日が少しずつ暮れていき、ライトで山道を照らしながら山を下りる。
消防隊員:
ここ滑りやすい岩ね。すべりやすい岩あるよ。
消防隊員:
了解。
そして、日が沈み暗闇につつまれる中…。男性の発見から約1時間、ようやく麓に到着した。
![男性の発見から約1時間 男性は救急車で病院に搬送された](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/d/d/700mw/img_dd5e99329d17b28c2e21c1edc573d82e262378.jpg)
男性は救急車に運ばれ、病院へと搬送された。
![「高尾山は気軽に登れると言われていますが、山は山です。準備と体調管理をしっかりとした上で登山を」](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/9/700mw/img_99293aba55e07075fea6b9839b6d4642350237.jpg)
警視庁高尾警察署 山岳救助隊 豊福敬介隊長:
高尾山は気軽に登れると言われていますが、決して安全であるということではありません。山は山ですので、しっかりとした準備、また体調管理をしっかりした上で楽しんでいただければと思う。
自分だけは大丈夫。そうした過信が登山でのトラブルを招く。しっかりとした準備が必要だ。
(「イット!」2月1日放送)