「今年のハロウィーンのピークは一体いつになるのか見極めるのが難しい…」

これは警視庁のある捜査員が、きょう31日に本番を迎えるハロウィーンを前に フジテレビの取材に対して発した言葉だ。

捜査員は31日の本番の夜が盛り上がる事は前提だとして、「本番前に来るピークは26日金曜日からの週末なのか、それとも週明け29日からの3日間なのか、渋谷にどれくらいの若者が集まるのか、今回は予測が立てにくい…」
こう話していた。

 
 
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東京・渋谷のスクランブル交差点付近では、6年前から若者らが仮装行列するようになった。

私たちマスコミも渋谷でのハロウィーンを徐々に取り上げるようになり、その結果、日本だけでなく海外からも渋谷に人が集まるようになった。

そしていつしか渋谷はハロウィーンの“聖地”とまで呼ばれるようになった。

しかし、多くの若者らが集まるようになった結果、それに合わせてトラブルも多く起きるようになっていった。

ハロウィーンに参加した者同士のケンカによる傷害事件や、痴漢、盗撮など、さらにはゴミのポイ捨てなども大きな問題となっていった。

このような中で迎えた週末日曜日の午前1時過ぎ、渋谷のセンター街で軽トラックが若者らに囲まれ横転させられてしまう事件が起きた。

群衆は一部暴徒化し、軽トラックを揺らし倒したあと、上半身裸の男が軽トラックの上に乗るなど大騒ぎを繰り返した。

またこれ以外にもケンカや痴漢などで、これまでに逮捕者6人が出ている。

撮影:ゆうきゆう(ゆうメンタルクリニック院長)さん
撮影:ゆうきゆう(ゆうメンタルクリニック院長)さん

渋谷でのハロウィーンは“変態仮装行列“になっている

このような状況の中、渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長(77)が、渋谷で行われているハロウィーンに関して次のように語った。

 「軽トラックが横転させられる映像を全国の皆さんも見たとは思うが、渋谷で行われるハロウィーンはもはやイベントや祭りではなく、一部の若者がやりたい放題して暴徒化し、仮装のペイントもあまりにも酷い“変態仮装行列”となっている。」

「ハロウィーンは本来、自分の地元で楽しむものであり、わざわざ渋谷に出てきてこのような問題を起こすのは見逃すことはできない。渋谷を訪れる人の中には善良な人もいると思うし、皆さんが楽しみたい気持ちもわかるが、個人の思いとしては、来年以降渋谷でのハロウィーンは禁止にしてほしい。

 
 

警視庁の警備は適正だったのか? 問われる「結果責任」

警視庁は週末土曜日の夕方ごろから数百人態勢で警戒にあたっていたが、スクランブル交差点などでの混乱が大きくなかったことから機動隊を午後11時半頃撤収させ、その後は渋谷警察署の警察官が警戒にあたっていた。

その約2時間に軽トラックは横転させられてしまった。

DJポリスの配置など、警備の強化をアピールしたが・・・
DJポリスの配置など、警備の強化をアピールしたが・・・

前述した警視庁の捜査員は

「警察の仕事は結果責任。どんな理由があっても、あのような横転事故を起こさせてしまった以上、警視庁に責任がないとは言えない。
今年のハロウィーンは31日以外ではどこがピークになるのか予測するのが難しいと思っていたが、まさかあの時間からあんな暴動が起こってしまうとは…」

と話した。

警視庁は器物損壊事件として当時の状況を詳しく調べている。

これを受けて警視庁の幹部は、「今回の結果を踏まえて31日の本番は警備態勢の強化を検討している」とコメントしている。

※トップ画像は、視聴者撮影映像

(執筆:フジテレビ社会部警視庁担当 河村忠徳)

河村忠徳
河村忠徳

「現場に誠実に」「仕事は楽しく」が信条。
FNN北京支局特派員。これまでに警視庁や埼玉県警、宮内庁と主に社会部担当の記者を経験。
また報道番組や情報制作局でディレクター業務も担当し、日本全国だけでなくアジア地域でも取材を行う。